研究概要 |
活性化処理法に水酸化物コロイドを利用する無電解めっき法を開発研究するために界面電気化学的立場から水酸化物コロイドの表面電荷に関する基礎的検討を行い,また種々のめっき,あるいは素材に対する適用性について検討した。以下に得られた結果の概要について述べる。 1.ゼ-タ電位測定の結果,ほとんどの樹脂は中性付近で負に帯電しているが,CuO,NiOは中性付近で、またSiO_2,ZrO_2は比較的酸性側で電荷の反転が見られた。したがって適当な条件を選ぶことによりプラスチックあるいはセラミックスへの水酸化物による活性化は可能であると考えられる。 2.ABS樹脂に対するCu(OH)_2ーNi(OH)_2及びCu(OH)_2ーCo(OH)_2)コロイドの吸着特性について検討した結果,水酸化物コロイドの吸着過程は化学吸着と考えられた。 3.水酸化物コロイドを利用する活性化処理法はABS樹脂の他にPP,PE,PS,PC及びPVCについても適用可能であり,また無電解銅めっきのみならずNi,Co,NiーCo合金の無電解のめっきにも適用可能であった。 4.本活性化処理法によって作製したに,Cu,Niめっき膜は光沢度,密着性において従来の方法と比較して遜色のないものであった。 5.水酸化物コロイドの調製にNaOH溶液の代わりにNaCO_3溶液を用いると極めて光沢性の良い,均一な銅めっき膜が得られた。さらにコロイド溶液の分散状態を調べた結果,Na_2CO_3を用いた場合より細かい粒子が生成していることが推察された。 6.分極曲線の測定結果から金属銅はホルマリンのアノ-ド酸化に対し大きな触媒効果をもつと考えられた。
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