研究課題/領域番号 |
02650495
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
三輪 謙治 名古屋工業大学, 工学部・材料工学科, 講師 (30110266)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | コンポキャスティング法 / レオキャスティング法 / 金属基複合材料 / アルミニウム合金 / 炭化珪素ウィスカ / 撹拌凝固 / 半溶融状態 / 半溶融押出 |
研究概要 |
本研究では、Alー5%Cu合金を固液共存状態で撹拌することにより、高粘度の合金スラリ-を作製し、濡れ性改善処理等一切おこなうことなく、スラリ-の粘性力を利用してsicウィスカを金属中に複合化するための諸条件を調べることを目的とした。その結果、以下のことが明かとなった。 1.初晶固相率の影響:初晶固相率が0.3から0.5へと増加するに伴い、複合化状態は次第に良好となった。特に、固相率0.45以上の場合には、ほとんどすべて良好な複合化が得られた。いずれの固相率においてもウィスカ予熱の影響は明瞭には認められなかった。 2.初晶粒度の影響:Alー5%Cu合金に微細化剤としてTi・Bを0.3%添加することにより、初晶粒子の平均粒径を500μmから250μmへと微細化した結果、ウィスカの予熱の有無に拘らず、いずれの固相率においても、ほとんど複合化できなかった。逆に、Cu組成を3%に減少することにより、初晶粒子の平均粒径を約1700μm程度に大きくすると、予熱しない場合には、固相率の増加に伴い、良好な複合化が得られるようになった。しかし、予熱をおこなうと複合化できなかった。これよりウィスカの複合化に対しては、ウィスカが毛玉になっており、その状態で合金スラリ-中へ添加されることを考え併せると、合金スラリ-は毛玉を取り込み易い初晶粒度に調整される必要があると考えられた。 さらに、本複合化法の短所である、撹拌時に雰囲気を巻き込むことにより気孔を生成する問題を解決するため、合金スラリ-を半溶融状態で押出することにより、気孔の除去についても検討し、以下のことが明かとなった。レオキャスト材を再加熱し、半溶融状態で加圧することにより、スラリ-中の気孔は固相率に拘らずほとんど全て除去できた。その時の加圧力は、ダイカスト法や溶湯鍛造法の加工成形時における加圧力(600〜1600kgf/cm^2)で十分に除去が可能であった。
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