研究課題/領域番号 |
02650499
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
大久保 忠恒 上智大学, 理工学部, 教授 (60010774)
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研究分担者 |
鈴木 啓史 上智大学, 理工学部, 助手 (30154579)
白砂 洋志夫 上智大学, 理工学部, 助手 (90053652)
野末 章 上智大学, 理工学部, 助教授 (80146802)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | β型チタン合金 / 溶体化処理 / 時効硬化 / 折出相 / TIG溶接 / 電子ビ-ム溶接 / 結晶粒径 / 破壊靭性 / 析出相 |
研究概要 |
β型チタン合金を、溶接部を有する実構造物に使用する際の大きな問題の一つに、溶接部における破壊靭性の低下がある。本研究では、代表的なβ型チタン合金を用いて二通りの方法により、溶接部の破壊靭性の向上を検討した。 本年度は昨年度検討した第一の方法の熱処理工程を簡略化する可能性を持つ、溶接部の脆化改善の第二の方法の検討を実施した。この方法は、母材よりβ安定化元素量の多い合金を溶接棒に使用して、容接部のα相析出による時効硬化を抑制し、母材と殆ど等しい強度と破壊靭性を得ることを目的とし、以下の検討を行った。 1) 溶接材の時効硬化挙動 母材と比べ、β安定化元素量を増した合金の溶接棒を用いて、TIG溶接を行った。その後、475〜550℃で時効を施し、溶接部から母材にかけての硬さ分布の測定行い、その結果をもとに、母材より溶接部の硬さが若干低くなる相当量のβ安定化元素増分量と時効条件を定めた。 2) 接溶部の力学特性の測定 1)の実験結果をもとに、β安定化元素の含有量を増した合金の溶接棒を用いた溶接材の溶接部の引張り強度と破壊靭性を測定した。ここで破壊靭性試験においてAE計測を行ない、脆化度の情報が得られる可能性を確認した。更に破面観察組織観察、X線回折を行い、脆化改善の組織的要因を検討を行った。 以上よりβ安定化元素を増した合金の溶接棒を用いて溶接を行う方法によっても溶接部の破壊靭性を十分に高めることが可能となった。さらに溶接部の組織観察、X線回折による、脆化改善の組織的要因の検討により当初の予測どうり時効の際に溶接部でのα相の析出が抑制されることが確認された。この第二の方法により溶接前の予備時効処理と溶接後の高温時効処理との二段階の熱処理方法による溶接部の脆化改善の第一の方法の前段の熱処理行程を省き簡略化することが可能となった。
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