研究課題/領域番号 |
02650509
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
友田 陽 茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | マルテンサイト変態 / 形状記憶現象 / 2方向形状記憶 / 高Mn鉄合金 / イプシロンマルテンサイト / 繰り返し変態 |
研究概要 |
オ-ステナイト(γ)ーイプシロイン(ε)マルテンサイト変態とそれに付随する力学的特性に大きな差異のみられる3種類の合金を昨年までの実験結果を基にして用意した。すなわち、Feー24Mn、Feー24Mnー6Si、Feー26Mnー6Co合金を選び、逆変態γの性質と形状記憶について研究し下記のような結果が得られた。 1.ε→γ逆変態挙動および逆変態γの性質について:24Mnと24Mnー6Coの逆変態γは強度が高く多くの転位を有することが見いだされた。これらの逆変態転位は加熱によって削滅しがたく、γーε変態の繰り返しに伴って増加する。一方、24M<nー6Si逆変態γの強度はSiの固溶強化ににもかかわらず前2合金より低く、変態の繰り返しに伴う増加も小さい。24Mnー6Siでは変態転位の多くが可逆的に動くのに対して、24Mnでは次々に転位が増殖しγが安定化することがわかった。 2.形状記憶について:試料をγ化処理した後、Af点近くの573Kまで冷却し、そこで数%の塑性ひずみを引張変形で与え、そのときの荷重を保持したまま室温まで冷却したところ、γ→ε変態に起因した伸びが現れた。これは3合金に共通して起こる現象で、外力の助けにより特定のせん断が優先してγ→εが起こるためであると考えられた。これらの試料を加熱すると、24Mnー6Siでのみ大きな形状回復が認められ24Mnではわずかな回復しか現れなかった。24Mnー6Siに対してさらに、加熱冷却を繰り返し与えたところ、先の外力方向に対して2方向の形状記憶現象が現れた。ただし、加熱の上限温度を高くすると、逆変態転位の再配例や合体消滅が進行するようで、2方向記憶は消失する。このとき、変態量はあまり変化しないようなので、異なる変態せん断が混入するためと推定された。
|