研究課題/領域番号 |
02650516
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒田 光太郎 名古屋大学, 工学部, 講師 (30161798)
|
研究分担者 |
坂 公恭 名古屋大学, 工学部, 教授 (90023267)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | プラズマ溶射 / セラミックコ-ティング / ムライト / フォルステライト / アルミナージルコニア / 微細構造 / 透過電子顕微鏡法 / 分析電子顕微鏡法 / 溶射皮膜 / アルミナ-ジルコニア / 透過電子顕微鏡 / アルミナ-クロミア / ジルコン |
研究概要 |
セラミックス溶射皮膜においては、セラミックスが溶融状態から急冷されるため、アモルファス相あるいは準安定結晶相の形成、微細結晶粒化などが生じ、複雑で微細な組織が形成される。この組織の熱的安定性を調べることは実用的に重要な課題であるばかりでなく、材料組織学的にも興味深いことである。本研究においては数種類の酸化物系セラミックスの微細構造を透過型分析電子顕微鏡によって観察し、種々の知見を得た。 ムライト(3Al_2O_3・2SiO_2)溶射皮膜の大部分の組織は、Al_2O_3過剰なムライト結晶相とそれとほぼ同組成の非晶質相から構成されており、溶射中にSiO_2が蒸発し減量したことが推察される。また、0.1μm程度の微細な結晶粒であるγーAl_2O_3領域もわずかではあるが存在していた。フォルステライト(2MgO・SiO_2)溶射皮膜においても結晶相と非晶質相が存在しており、隣接する両相の組成にはほとんど差がなかった。結晶相および非晶質相とも原料組成よりもSiO_2が過剰なクリノエンステタイト(MgO・SiO_2)組成を示しており、MgOが溶射中に蒸発したと考えられる。Al_2O_3ーSiO_2およびMgOーSiO_2系では相分離によるシリカガラスの形成はみられなかった。アルミナージルコニア(70%Al_2O_3ーZrO_2)溶射皮膜においても結晶相と非晶質相が存在していたが、両相の間で組成に大きな差があることが前2者と異なっていた。結晶相はZrを少量含むγーAl_2O_3であり、非晶質相はほぼ共晶組成であった。 ムライトおよびフォルステライトムライト溶射皮膜中の非晶質相はそれぞれ970℃および875℃で短時間で結晶化する。アルミナージルコニア溶射皮膜中の非晶質相は940℃で結晶化して、αーAl_2O_3と正方晶ZrO_2の微結晶が形成される。ここで取り上げたセラミックス溶射皮膜は1000℃以下で容易に非晶質相の結晶化が生じ、高温環境化で長時間使用する際に問題となる可能性がある。
|