研究課題/領域番号 |
02650545
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鎌田 薩男 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20041527)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非弾性電子トンネル分光 / 振動スペクトル / 表面分析 / アルミナ表面 / 有機イオウ化合物 / 鉄表面 / 有機リン化合物 / カルボン酸エステル / 金属酸化物 / アルミナ |
研究概要 |
非弾性電子トンネル分光法によりアルミナ表面の状態分析を行った。トンネルスペクトルはアルミナ表面をスルホン酸、チオ尿素およびチオアミドなどの有機イオウ化合物および各エステル化合物の溶液で処理し、Al/Al_2O_3(試料または膜)/Pbのトンネル接合を作製して測定した。振動スペクトルの解析結果、次のことを明らかにした。(1)アルミナ表面は清浄でも、フリ-または水素結合した多くの水酸基で覆われ、一部アルミニウムイオンすなわちルイス酸点が存在する。(2)メタンスルホン酸およびべンゼンスルホン酸はアルミナ表面の水酸基との脱水反応により、スルホン酸イオンの形で吸着される。また、チオ尿素およびチオアミドはルイス酸点(Al+)と分子中の窒素原子の孤立電子対との相互作用により、アルミナ表面に分子状に吸着されることがわかった。(3)アルキルベンゼンスルホネ-トまたはアルキルホスファイトのエルテル化合物は、表面水酸基との反応により分解され、アルミナ表面にアルキルスルホン酸またはアルキルリン酸イオンとして垂直に吸着される。これに対し、アルキルカルボン酸エステル2通りの分解反応を示すことが分かった。1つは、エステルのアリル基と酸素との結合の切断によるもので、アルコキシイオンがアルミナ表面のルイス酸点上に吸着されること、もう1つは、アルキル基と酸素との結合を切断し、生成したカルボン酸イオンが表面に吸着さるものである。(4)アルミナ上の蒸着シリコン薄膜には、多くのSiH_xが形成されること、また銅および鉄薄膜のトンネルスペクトルには、銅および鉄に基づく信号は観測されず、フラットなスペクトルを示した。これらは興味ある現象として、金属薄膜表面の状態解析が可能であり、今後の検討が期待される。
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