研究概要 |
市販試薬を用い、溶融,分相,酸溶出等の操作により,シリカ,シリカ・チダニア系多孔質ガラスを作製し、作製条件と細孔径分布との関係を検討した。その結果、15〜365A^^°に細孔径分布を示す多孔質ガラスが得られたこと、その細孔径分布における極大値は分相成分量,温度および時間の増大とともに大きい方に移行すること、分相における拡散の活性化エネルギ-は何れの原料組成においても約70kcal/molであること等を明らかにした。 秋田県森吉産の珪藻士を原料とし、同じ手法で多孔質ガラスを作製し、作製条件と細孔径分布との関係を同様に検討した。このとき、珪藻士をあらかじめ塩酸処理したものも原料として用い、それぞれ比較した。この結果、以下のことを明らかにした。すなわち、珪藻士を原料としたとき、平均細孔直径が38〜109A^^°,比表面積203〜476m^2/gの多孔質ガラスが得られ,上述の市販試薬を用いた場合に較べ、一般に、細孔径は小さい。分相温度が600℃では、より低温の場合の細孔径に較べ、より小さい方へ移行する。珪藻士を塩酸処理したものは、化学組成において、SiO_2含有量が高く、Al_2O_3,Fe_2O_3,CaO等の含有量は低いが、作製した多孔質ガラスの平均細孔径においては、赤処理のものに較べ顕著な差は認められないこと等々である。 珪藻土から作製された多孔質ガラスを触媒担体として利用することの検討においては、この担体に例えばシリカ・チタニアをゾル・ゲル法により担持した触媒の最高酸強度はH_o≦ー8.2を示し、トルエンのメタノ-ルによるアルキル化において得られるアルキル化物の選択性は低いものの、高いトルエン転化率を示すことを明らかにした。
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