研究課題/領域番号 |
02650558
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
亀頭 直樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20023153)
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研究分担者 |
佐藤 裕久 豊橋技術科学大学, 工学部, 教務職員 (10215832)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | BaLn_2Mn_2O_7 / Ca_<1.5>Nd_<0.5>MnO_4 / 酸素不定比性 / 相転移 / ヤ-ン・テラ-効果 |
研究概要 |
BaLn_2Mn_2O_7という化合物について、今回先ずLn=Gdのものについての合成実験を行い、これが定比のものでは斜方晶に歪むこと、そして、この斜方晶がTb型のものであることを見つけた。これによりこの一連の化合物は二種類の斜方晶に歪むことが分かった。次に、このBaGd_2Mn_2O_7も高温で相転移を有することを熱分析等で見い出したので、これら一連の化合物について系統的にX線回折や磁化率等の測定により、その相転移近辺の挙動を調べた。その結果、いずれの系においても定比のものでは、室温で斜方晶のものが高温で正方晶に転移するが、酸素不定比のものでは、この相転移温度が降下してきて、普通は室温でも正方晶をとることが分かった。そして、この相転移に対応して、特に磁化率の温度依存性グラフに明瞭な不連続点が現れることを見いだした。これは、この種の相転移がMnの3価のJahnーTeller効果により結晶が歪むためであり、すなわち、Mnの3d電子の動きを直接追っている磁化率にこの変化が捉えられることになる。このようにして、一連のこの型の化合物の磁化率を測定する実験を行い、特にEuの系では今まで見られなかったもう一つの斜方晶も見い出した。これにより、従来考えられていた状態図を再考しEuの二種類の斜方晶の問題への解決の糸口をつかんだ。このようにBaLn_2Mn_2O_7という一連の化合物について、その斜方晶の生成、不定比性、相転移を明かにしたが、これをさらに発展させた酸素八面体の層状化合物の一つCa_<1.5>Nd_<0.5>MnO_4という化合物においても酸素不定比性による同様なJahnーTeller効果に基づく相転移の存在を明かにして今後の研究への指針を与えた。
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