研究課題/領域番号 |
02650571
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
森 誠之 岩手大学, 工学部, 教授 (60091758)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | メカノケミストリ- / メカニカルアロイング / 触媒 / シクロヘキセン / 脱水素反応 / 炭化水素合成 / FischerーTropsch合成 / 構造敏感性 |
研究概要 |
遷移金属の触媒活性に対するメカノケミカル効果について検討した。テスト反応として(1)シクロヘキセンの脱水素反応および(2)FischerーTropsch合成を利用した。 (1)ガラス製ミルにニッケル粉末を充填しヘリウム雰囲気下で粉砕することにより活性化すると、シクロヘキセンの脱水素反応が室温でも起こるほど高い触媒活性が得られることが明らかになった。鉄とニッケルの混合粉末を活性化したところ、ニッケル50%以上で高い活性が得られた。ニッケルとアルミナの混合物でも同様の活性が得られたことから、鉄は粉砕助材として働き、ニッケルの新生面が高い触媒活性を示したと結論した。 (2)試作した振動ミルを用いてメカノケミカルに活性化した触媒を試料として、FischerーTropsch合成を行った。触媒としては鉄、ニッケルおよびマンガンなどの遷移金属を用いた。ヘリウム雰囲気下で粉砕によって活性化したのち、水素と一酸化炭素の混合気体を導入し120℃で反応させたところ、いずれの触媒でもわずかのメタン生成が確認された。そこで、反応温度を120℃に保ち混合気体雰囲気下で触媒を粉砕したところ、多量のメタン生成が確認された。言い替えれば、120℃という比較的低い温度でも、メカノケミカルな活性化を行うことによりFischerーTropsch反応が実現できたことになる。メタン生成量はニッケルを触媒としたとき最も多かった。鉄を触媒したときは、炭化水素の生成量は低下した。しかし、炭素数の多いエタンおよびプロパンの生成を確認できた。鉄とニッケルの混合物(50wt%)を触媒としたところ、炭化水素の生成量は単一金属の場合の中間になり、エタンが生成することがわかった。以上のように、遷移金属をメカノケミカルにを活性化することで、FischerーTropsch合成が比較的低温で実現できることが明らかになった。
|