研究課題/領域番号 |
02650581
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
松浦 郁也 富山大学, 理学部, 教授 (20165757)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ビスマス-モリブデン酸化物 / イソブテン酸化 / メタクロレイン生成 / アルカリ添加効果 / 稀土類添加効果 |
研究概要 |
多成分系BiーMo酸化物触媒は低級オレフィンのアルデヒドへの部分酸化触媒としてよく知られている。この多成分系BiーMo触媒はカチオン欠陥をもったM^2MoO_4を核として表層をMoO_3が覆い、このMoO_3表層中にBi_2Mo_3O_<12>が分散して成り立っている事を本研究者は既に報告している。このように構成された触媒上でオレフィンはMoO_3表層に分散しているBi_2Mo_3O_<12>により酸化されアルデヒドを生成する。遷元されたBi_2Mo_3O_<12>はカチオン欠陥をもったM^2MoO_4をとうして運搬される格子酸素によって酸化される。 多成分系BiーMo酸化物触媒はプロピレンのアクロレインへの酸化にたいしては極めて機能よく働くが、イソブテンのような塩基性の強いオレフィンの酸化にたいしては期待される触媒能を発揮できない。本研究者はイソブテン酸化によるメタクロレイン生成の触媒機能を向上させる目的でアルカリ金属添加と稀土類添加の効果について検討した。 多成分系BiーMo酸化物へのアルカリ金属添加効果はイソブテンのメタクロレインへの選択性を向上させると共に活性の向上も観測された。活性向上効果はCs>Ru>K>Na>Liの順となった。 多成分系BiーMo酸化物への稀土類添加効果においてもアルカリ金属添加と同様にイソブテンのメタクロレインへの選択性を向上させると共に活性の向上も観測された。活性向上効果はCe>Tb=Pr>Ndの順であった。 このようなアルカリ金属または稀土類添加効果は、これらを添加する事により触媒の表層を形状しているMoO_3がAMo_2O_4またはLn^3_2Mo_3O_<12>となり、そのためにオレフィン酸化活性種であるBi_2Mo_3O_<12>の電子授与性が低下しオレフィン吸着能を穏やかになり、その結果としてイソブテン酸化活性が向上すると結論した。
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