研究課題/領域番号 |
02650587
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西本 清一 京都大学, 工学部, 助教授 (10115909)
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研究分担者 |
大谷 文章 京都大学, 工学部, 助手 (80176924)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ビオロゲン / 放射線線量計 / 低感度化 / 鉄(III)イオン / ポリビニルアルコ-ル |
研究概要 |
(1)放射線利用産業の拡大とともに照射プロセスが多様化し、目的に応じて数グレイから数百キログレイにおよぶ広範囲の線量の放射線が使用されるようになった。これにともない、照射効果の規格化・予想制御の基礎となる吸収線量の高精度測定が重要となっている。本研究の対象であるビオロゲン線量計は、ポリビニルアルコ-ルフィルム中にビオロゲン誘導体を分散させたもので、ガンマ線や電子線照射によってビオロゲンの一電子環元反応が誘起され、青色を呈するという特長を有している。本研究において、ビオロゲン線量計のラジオクロミズム、すなわち放射線による可逆的色変化、が顕著となる応答線量領域を制御して、従来型(数キログレイ程度の総量計測)より低感度(百キログレイ以上の線量計測)の線量計を開発することにある。 (2)低感度化のため、森(III)イオンを添加した。フィルム調製原料であるポリビニルアルコ-ルとメチルビオロゲンを含む水溶液に種々の量の流酸鉄(III)あるいは塩化鉄(III)添加し、水素イオン濃度を調節してからキャスト法により線量計フィルムを作成し、種々の線量の電子線を照射した。 (3)鉄(III)イオンを添加しないフィルムでは、50キログレイまでの照射では着色の吸光度が直線的に増加したが、それをこえると逆に消色した。一方、鉄(III)イオンを添加すると、照射初期に着色が起らない誘導期があらわれた。また、誘導期間後の着色効率(照射線量あたりの吸光度変化)も減少するため、予期したとおり500キログレイ程度までの線量を計測できることがわかった。また、原料水溶液中の鉄(III)イオンと水素イオンの両者の濃度を変化させることにより、誘導期間ならびに効率を制御できることが明らかになり、初期の目的が達成された。
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