研究課題/領域番号 |
02650636
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
折原 勝男 山形大学, 工学部, 助教授 (90007021)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ポリマ-ブレンド / 固体電解質 / ポリエチレンオキシド / ポリビニルアセテ-ト / 過塩素酸リチウム / 伝導率 / キャリア-密度 / 解離反応 / 高分子固体電解質 / 高分子ー金属錯体 / 高分子固体溶媒 / イオン伝導率 / キャリア-移動度 / 解離平衡移動 |
研究概要 |
ポリエチレンオキシド(PEO)とLiClO4からなる固相錯体にポリビニルアセテ-ト(PVAc)をブレンドしたときの効果を検討した。申請者らがブレンドによって約8倍もの伝導率増大を見いだしたことが発端となっている。 平成2年度は、PVAcのブレンドによって、移動度は急激に低下し、逆にキャリア-密度が著しく増大する結果をえた。一方マトリックスポリマ-のブレンドによって、PEOのガラス転移点が僅かながら低下し、PEOの結晶性も低下したことから、移動度の大幅な現象は納得しにくく、問題が残された。 平成3年度はこの点を明らかにしようと計画した。はじめにPVAcブレンドによる伝導率変化の塩濃度依存制を検討した。一般に高分子固体電解質の伝導率は塩濃度と共に増すが、ある濃度以上で再び低下する。これはマトリックスの塩解離能力に限界と、未解離塩によるキャリア-移動の妨害を示唆している。しているためと考えられる。この時の臨界塩濃度が、PVAのブレンドによって高濃度域にシフトすることが分かった。このことはPVAcのブレンドが塩の解離定数を大幅に増した、すなわちキャリア-密度が大幅に増したとする昨年の結果を支持した。今後移動度の低下さえ押さえれば、大幅な伝導率の向上が見込まれる、これはこの試料の電気自動車用バッテリ-や高信頼性のエレクトロミック素子への応用につながる。さらに、これらの結果は、いま萌芽時にある高分子個体溶媒中の塩の解離反応に貴重な新しい事実を提供したことにもなる。 他方、ブレンド効果はカチオンキャリア-のサイズに対して一様とならず、従来の通念に反して、アニオンキャリア-の可能性を提起をした。
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