研究課題/領域番号 |
02650649
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60210001)
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研究分担者 |
牧野 圭祐 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50159141)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 遺伝子診断 / 蛍光ラベルDNAプロ-プ / スピンラベルDNAプロ-ブ / 蛍光偏光解消 / 蛍光異方性 / ESRスペクトル / M13ファ-ジDNA / DNAプロ-ブ法 / 蛍光ラベルDNAプロ-ブ / 核酸分子集合体 / 蛍光ラベル / 電子スピンラベル / 蛍光偏光解消法 |
研究概要 |
本研究はガン、AIDSなどの難治性疾患の高感度、高精度診断を目的とし、それに用いる核酸分子集合体の分子設計ならびにその構築、さらにそれらを用いた診断法の確立に関するものである。これらの目的のために本研究では対象遺伝子配列に完全に適合する遺伝子配列を持った短鎖DNAをプロ-ブとして用い、対象遺伝子の有無を判定するDNAプロ-ブ法を採用した。研究は具体的に2方法によって実施した。第1の方法は蛍光剤で修飾した核酸分子集合体(蛍光ラベルDNAプロ-ブ)を分子設計し、蛍光偏光解消法により遺伝子中の対象核酸塩基配列の有無を判定する方法である。本法では対象遺伝子を含む検体溶液にフルオレセインラベルDNAプロ-ブを添加し、30分後に蛍光偏光解消スペクトルを得る操作のみで対象遺伝子の有無が判定ができた。第2の方法は電子スピンで修飾した核酸(スピンラベルDNAプロ-ブ)を分子設計し、ESRのスペクトル変化から判定する方法である。本法では対象遺伝子を含む検体溶液にニトロキシド系スピンラベルDNAプロ-ブを添加し、30分後にESRスペクトルを得る操作のみで判定できた。初年度では対象遺伝子として化学合成した単鎖核酸を用いて方法論の確立を主として行い、次年度では分子量238万のファ-ジDNAを対象とし、その一部塩基配列を欠落させた変異体(遺伝子組換え技術により作製)を比較として実験を行った。その結果、本研究で開発したラベルDNAプロ-ブは高感度(0.1μM)で短時間(1時間以内)に巨大DNAを検出できることが明らかになった。本研究で基礎的方法論を確立した液相DNAプロ-ブ法は新しい概念のDNAプロ-ブ法であり、今後より精密な核酸分子集合体の設計・構築を行うことで従来より困難とされてきた病気診断、特にAIDS、ATLのようなウイルス性疾患の発症前診断に威力を発揮するものと考えられる。
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