研究課題/領域番号 |
02650654
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
伊藤 栄子 東京都立大学, 工学部, 教授 (20087307)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | MHD効果 / 磁気流体力学 / 電解重合 / ラダ-ポリマ- |
研究概要 |
導電性高分子材料は易加工性、軽量性、化学的修飾の容易さ及び可撓性などの性質のため、主要先進国においてその重要性の認識は共通している。 交付申請書の研究計画に述べた様に、初めにMHD効果で、電解液が理想に近い層流を作って流れるような横型の電解セルを試作した。この横型電解セルを用いて電解電流と層流の流速との関係を測定した。次に、電極反応により引き起こされる対流と電解液の流れとの関係を考察した。すなわち、対流の流れる向きとMHD効果による電解液の流れの向きが同一方向であると、反応電流は増加し、向きが逆方向のときは減少することを見出した。今まで、MHD効果により反応電流は増加するという報告は為されているが、減少するという報告は少ない。これは対流の影響は電極表面近傍にだけ影響を及ぼしていることを明らかにしたもので興味ある結果である。 続いて、MHD効果により引き起こされる電解液の流れが電極表面の拡散層に及ぼす影響を考察した。反応が拡散律則になるように、数ミリモルの低濃度で実験を行った。その結果、極端に濃度の低い所では、磁場の強度依存性がみられなかったが、5ミリモル以上の濃度では磁場の強度が増加するにつれて、電流値が増加した。さらに濃度を高くしていき、数百ミリモル程度の濃度になると反応が拡散律則ではなく、反応律則になるため、電流値の磁場強度依存性が特異な挙動を示すことを見出した。すなわち、3〜5テスラ-までは磁場強度の増加に伴い電流値が増大するが、更に磁場強度が強くなると、逆に電流値が小さくなる。これは反応が抑制されていることを示すものであり、今までにこのような現象は報告されておらず、本実験における一番の成果である。この電解セルより得られた電解膜の電導度は高かった。
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