| 研究概要 |
回転セラミック膜を用いて生成ケ-クを掃流して高速度濾過を行う高剪断型ダイナミックフィルタ-の濾過機構およびその適用性を検討し以下の成果を得た。
1)希薄なサブミクロン粒子系スラリ-の回転円筒型ダイナミック濾過における精密濾過特性を調査し,濾過速度・分離精度と膜細孔径の相関,濾過特性と操作因子の相関,濾室内部の流動状態について検討した。ダイナミック濾過においても分離精度は良好であり,分離速度の増大に適した濾過手法となる。また,濾過速度は,膜面剪断応力および定圧濾過係数を用いると操作諸因子に精度よく関係づけることができる。
2)クロスフロ-型ダイナミック濾過について,分離機構と操作条件の相関,スラリ-の改質と濾過速度の相関を検討した。濾過速度および分離特性は濾過圧力・クロスフロ-流速など濾過条件に依存するが,膜面剪断応力・定圧濾過係数を導入して回転円筒型の場合と同様な解析方法を提案した。また,スラリ-の凝集処理・濾過助剤の添加操作との比較から,ダイナミック濾過速度の増加には,ケ-ク層の掃流量の増大が特に有効であり,それに好適な濾過促進剤を提案した。
3)高速回転ダイナミックフィルタ-を試作し,高粘性スラリ-および高圧縮性スラリ-への適用性を明らかにした。回転濾材の速度を変化させることによって,クロスフロ-操作のように濾過時間を減ずることなく,高剪断力を対象とするスラリ-の特性に応じて作用させることができる特徴があり,高速ダイナミック操作は高速度分離法として好適となる。特に,高粘性スラリ-,高圧縮性ケ-ク生成スラリ-の場合は,濾過速度の増大に大きい掃流力が不可欠であり,スラリ-の粘性と圧縮性が大きい場合程,本操作が有利となる。また,装置の構造についても高効率操作のための知見を得た。
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