研究概要 |
1.ダイズ緑葉より全RNAを抽出し,poly(A)^+RNAを調製した.それを鋳型にcDNAを合成し,λZAPcDNAライブラリー,プラスミドcDNAライブラリー,ならびに予め酵母および大腸菌の光回復酵素遺伝子配列との相同性の高い配列をPCR増幅したプラスミド"enriched cDNA"ライブラリーを作製した. 2.酵母および大腸菌の光回復酵素遺伝子配列を比較し,保存領域からコドンの縮重を考慮してプライマー配列の位置を決め,酵母DNAを鋳型DNAとしてPCRを行って合成したDNA断片をプローブとして,プラークおよびコロニーハイブリダイゼーションによるスクリーニングを行った.約50万のプラークから45個のポジティブプラークをスクリーニングした.プラスミド″enriched cDNA″ライブラリーからは多数のポジティブクローンがスクリーニングでき,それをプローブにしてプラスミドcDNAライブラリーから522個の完全長ポジティブクローンが得られた. 3.ポジティブクローンを有するファージを光回復酵素欠損大腸菌上にプレートし,45個のうち2クローンがシブスクリーニングされた.また522個の完全長ポジティブクローンのうち141個が,大腸菌光回復能欠損系統に導入すると光回復能を相補した.それらは光回復能欠損酵母系統を形質転換できなかった. 4.制限分析とハイブリダイゼーション分析によって,λZAPcDNAライブラリー由来の2クローンはクローンAで,またプラスミド″enriched cDNA″ライブラリー由来の141個の完全長ポジティブクローンは,128個がクローンA,残り13個がクローンBであった.クローンAの塩基配列を決定し,それらからアミノ酸配列を推定した.ダイズ光回復酵素は酵母と大腸菌の中間型の621アミノ酸配列をもち,配列既知光回復酵素に共通の19アミノ酸がすべて保存されていた.
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