研究概要 |
1.雑草種子の収集 平成4年2月10日までに収集できた雑草種子は89科45種2316点である。これは目標であった500種を大きく越えており,日本産雑草の大部分の種類の種子を収集できたと言える。しかしながら非常に稔実率が低い種類があることもこの研究結果からわかり,そのような種に対しては人工的な交配も含めて今後一層の努力と研究が必要である。 2.種子選別方法の開発 さまざまなメッシュサイズを持った篩と種子自動風選機を用いることにより大部分の種類の種子は夾雑物を取り除くことが出来た。とくに自動種子風選機は有効であった。しかしながら土壌が混入した場合はいずれの方法も有効ではなく,炭酸カリウム溶液によって種子と土壌を分離する事が出来た。 3.種子保存方法の検討 オ-トデシケ-タあるいは40℃の通風式乾燥機を用いて,十分に乾燥した後にー20℃の冷凍室で保存する方法は大部分の種の種子保存に関して有効であることがわかった。乾燥させると死亡してしまう種があることもわかり,そのような種に対しては活性炭を入れた純水の中にいれて4℃の冷蔵庫に保存している。研究期間が短いためこの方法が長期間の貯蔵に向いているかどうかは判らない。 4.種子の計測 種子の1000粒重の測定,果実あたり種子数の測定が大部分の種について行えた。この結果は日本の植物に関しては今までで最大の種類数を扱ったと考えられる。実体顕微鏡を用いいた種子の観察,撮影も成果があった。 5.すべてのデ-タはパ-ソナルコンピュ-タにデ-タベ-スの形で蓄えることが出来たので,今後ともこの成果は大いに活用できる。
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