研究概要 |
早晩性の異なるカリフラワ-の3品種を用い、花らい形成に伴う茎頂部における核酸(DNA,RNA)の部位別濃度を調査した。 播種後3週目のスノ-クィ-ンは花らいを分化しておらず、6週目に膨大期に達し、9週目に温室区は花らい形成前期に、戸外区は花らい形成中期に達した。野崎早生の戸外区では6週目に膨大期に達し、15週目に花らい形成後期に達したが、温室区は15週目にも花らいを未分化であった。野崎中生の戸外区は15週目に膨大期に達したが、その時でも温室区では花らいを未分化であった。 このような特性をもつ3品種について茎頂部の永久切片を作成し、メチ-ルグリ-ン・ピロニン法により染色を行い、花らい形成に伴う核酸の部位別濃度の変化を顕微測光法により測定した。 1.スノ-クィ-ンの花らい未分化時の茎頂において、縦方向では上端ほど核酸濃度はやや高く、横方向では中央部の核酸濃度は低くその両側に2つのピ-クがあった。その後、茎頂が膨大した後花らい形成期まで、茎頂部の縦方向では上端ほど、横方向では周辺部ほど核酸濃度は増加し、とくにRNA濃度の増加が著しかった。 2.野崎早生及び野崎中生の花らい未分化時の茎頂においては、縦方向では上端よりやや下に核酸濃度のピ-クがあり、横方向では中央部の核酸濃度はやや低く、その両側に2つのピ-クがあった。両品種の茎頂が膨大するほど,また野崎早生では花らい形成期まで、縦方向では上端ほど、横方向では周辺部ほど核酸濃度は増加し、とくにRNAの増加が著しかった。 3.極早生のスノ-クィ-ンでは早生種,中生種の膨大期の核酸パタ-ンが既に未分化期においても認められ、ハナヤサイ類の花成研究に本方法が優力な事を暗示させた。
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