研究課題/領域番号 |
02660051
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
神田 康三 佐賀大学, 農学部, 助教授 (00117095)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | Bacillus thuringiensis / 殺虫性毒素遺伝子 / プラスミド依存性ファ-ジ / 選択誘発 |
研究概要 |
殺虫性毒素産生細菌Bacillus thuringiensisの分子育種法の開発を目的として毒素遺伝子の発現と制御および安定性を検討するため、AF101株を用いて本菌が保有する殺虫性毒素遺伝子を含む単一のプラスミドpAF101の解析を行った。これまでの研究の結果、pAF101には申請者が本菌で見いだした2種の弱毒ファ-ジのうち、J7Wー1プロファ-ジが組み込まれていることが判明していたが、今回あらたにKKー88ファ-ジゲノムの制限地図を作製し、その遺伝子解析の結果、この遺伝子の一部もpAF101上に存在することが明かとなった。このことから、pAF101の80%が2種のファ-ジゲノムによって構成されていることが確認された。一方、前年度から継続した毒素遺伝子のクロ-ニングは、毒素遺伝子がプラスミド上のファ-ジゲノム領域以外に存在する可能性が高くなったため、pAF101全体からショットガン法によって行った。その結果、pAF101の6.5kb PstI DNA断片を有するE.coli組換え体において70kdalの新たな蛋白の発現が認められた。この蛋白は抗毒素血清と特異的に反応することから、毒素遺伝子は6.5kb PstI DNA断片に存在することが判明した。そらにこのクロ-ニングされた毒素遺伝子は2種弱毒ファ-ジゲノムと相補性を有せず、プラスミド上のファ-ジゲノム領域以外に位置することが認められ、AF101株が保有するプラスミドpAF101は大きく分別してJ7Wー1の全ファ-ジゲノム、KKー88ファ-ジゲノムの一部および毒素遺伝子の3種の独立した遺伝学的な領域から構成されていることが判明した。 本研究において、AF101株における2種のファ-ジゲノムは毒素遺伝子と独立して存在することが判ったが、今後、これらファ-ジの有する選択誘発性を本菌の分子育種における新規ベクタ-構築に利用するため、両ファ-ジの誘発制御機構を検討してゆく予定である。
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