研究概要 |
近赤外LEDとフォト・センサによる計測システムに改良を加え,購入した玉糸の節発生間隔を測定した.これらの測定されたデ-タをもとに,節発生間隔分布のあてはめを行い節発生の共分散関数を求めた.これらのデ-タの格納と計算処理は昨年度購入したワ-ク・ステ-ションを使用した.また,この共分散関数を求めるに当たっては,D.R.Coxの点過程(1980)より直接,間隔分布から求める方法と,赤池のギャップ過程(1956,1959)により確率過程として,とらえる方法について考察を行った.それぞれ長所,短所をもち,節発生間隔分布により使い分ける必要のあることが知られた. 節発生間隔デ-タとその分布から得られる共分散関数により,織布面上の任意面積内の節数の平均値と分散の推定を行い,節発生間隔分布をもとにシミュレ-ションを行った.その結果,玉糸のような節発生をするよこ糸では,両側のミミで折り返す織の方と,片側のミミからのみよこ糸を打ち込み織り方ともに,広い範囲での節の集中一離散となるため検査面積を増加させるに従い急激に節数の分散が増加することが知られた.これに対し,分散の小さな節発生間隔分布を仮定すると,平均節発生間隔と織幅の関係の顕著に現れることが知られた.すなわち,平均値一面積の関係は常に直線となること,分散一面積の変化は節発生間隔分布と織幅に依存して,検査面積を変化させることにより大きく変動することが知られた.また,検査面積内の節数の分散の増減は,両側のミミで折り返す織り方では,織幅の2倍に関係すること,また,片側のミミからのみよこ糸を打ち込む織り方では,織幅の1倍に関係することが知られた.
|