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土壌生成の基本原理としての「量比」の概念の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 02660065
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 土壤・肥料
研究機関京都大学

研究代表者

久馬 一剛  京都大学, 農学部, 教授 (80027581)

研究分担者 平井 英明  京都大学, 農学部, 助手 (20208804)
岡川 長郎  京都大学, 農学部, 講師 (00093211)
小崎 隆  京都大学, 農学部, 助教授 (00144345)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード酸性化 / 水溶性有機炭素 / 土壌溶液 / pH / Al,Feの溶脱・集積
研究概要

本研究が行われた京都府北部の森林下における土壌生成過程は,酸性化の進行という面から大きく把握することができる。
土壌溶液の分析より,酸の起源として水溶性有機酸の解離および硝酸化成があげられる。土壌溶液中のAl濃度がほぼpHによって規定されていることから,断面内におけるAlの移動は,表層での酸による溶出と下層でのpH上昇による沈殿で説明されると考えられる。また,表層におけるAlの溶脱にともなって,主要粘土鉱物種がAlバ-ミキュライトから膨潤性のバ-ミキュライトおよびスメクタイトへと変化している。スメクタイトが卓越する層位では,仮比重の増加と孔隙率の減少,透水性の悪化がみられる。土壌溶液のpH,Ehを考え合わせると,表層土壌における弱還元条件がFe^<2+>の溶出を促進している可能性がある。
一方,林床に厚い粗腐植層が発達するところでは,表層土壌溶液中に相当量の水溶性有機炭素(DDC)が溶存する。このDDCのB層での挙動は,土壌固相の非晶質遊離酸化酸化物による吸着という点から説明される。すなわち,B層土壌の非晶質酸化物量が大きく有機物吸着能が高い場合,表層より流下してきたDDCのうちかなりの部分はB層で吸着されるが,非晶質酸化物の量が比較的少ない場合には,DDCはB層でもあまり吸着されず,さらに下層に流下するものと考えられる。
以上の結果から,断面内におけるAl,Fe,DDCの移動は,酸性化の程度により次のようにまとめられる。1)表層土壌が酸性化を受けAlが溶出するが,B層での集積量はまだあまり大きくない。相当量のDDCはB層でも保持されず流亡する。2)AlさらにはFeの溶脱集積が進行し,B層では非晶質酸化物が増加する。表層を通過したDDCはB層で大部分吸着される。3)酸性化がB層に及び,非晶質Alはさらに下層に移動する.これにともないB層でのDDC吸着は減少する。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shinya Funakawa,Hideaki Hirai and Kazutake Kyuma: "Soil Forming Processes Under the Natural Forest in Northern Kyoto in View of Soil Solution Composition" Soil Science and Plant Nutrition.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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