ジャ-ガルの母材は、島尻層群(第3紀の海成層)中のオリ-ブ褐色〜灰色を呈する泥(灰)岩からなり、一般に膨潤性および非膨潤性の14A^^°鉱物を含有する。本研究では、ジャ-ガルの理化学性の異なる母材の粘土画分の特徴ずけに資することを目的として、常法で調べた理化学性の異なる沖縄島中・南部の5地域からの6泥(灰)岩試料を供試して、粗粘土および細粘土画分のジチオナイト処理(DCB)後のスメクタイトの特性について、定方位および乱方位試料のX線回折分析法により調べてその類別を試み、次のような成果が得られた。 1)常法の分析法で得た細土(粒径2mm以下)試料の理化学性では、pH(H_2O)の土壌反応は5.71〜8.30、無機炭素含量は0.04〜1.34%、CECは15.21〜40.55me/100g、交換性Ca含量は6.52〜34.31me/100g、交換性Mg含量は2.05〜12.56me/100g、燐酸吸収係数は900〜1700mg/100gの範囲をそれぞれ示した。 2)細土中の粘土粒子の粗粘土(粒径2.0〜0.2μm)と細粘土(粒径0.2μm以下)の両粘土画分に含有されたスメクタイトは、バイデライトやノントロナイトではなく、いずれもモンモリロナイトであった。 3)粗粘土画分では、DCB可溶成分のFe_2O_3含量は1.08〜2.80%、層状珪酸塩鉱物は主にイライト、モンモリロナイト、カオリナイトを主体とし、僅かにバ-ミキュライト、Feークロライトを随伴した。 4)細粘土画分では、DCB可溶成分のFe_2O_3含量は2.15〜6.48%、層状珪酸塩鉱物はモンモリロナイトが主体で他にイライトと僅かにカオリナイトやFeークロライトを随伴した。 5)両粘土画分に含有されたカオリナイトは、加熱処理に対する結晶度の差異から3群にわけられた。 以上の結果より、ジャ-ガルの母材の両粘土画分の鉱物組成にはかなりの質的・両的違いが認められた。
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