研究概要 |
コンカナバリン-A(ConA)などのレクチンによるリンパ球幼若化に対するコンドロイチン硫酸A(Chs-A)の作用をDNA合成,幼若化細胞出現率,細胞の表面荷電,幼若化に伴うCA^<2+>の関与,さらにはDNAポリメラーゼα,β,γ活性などを検討し,以下に示す知見を得た。 Chs-A(167μg/m1)はConA(10μg/m1)による幼若化を賦活化させた。さらに,より低濃度(42μg/m1)のChs-Aが生存率の上昇および総細胞体積の増加を起こすことを明らかにした。Chs-Aによる生存率上昇は細胞表面陰性荷電の増加と関係がある。Chs-Aによる幼若化の亢進はChs-AがConAの結合部位をマスクすることなく,細胞表面に作用してConAの結合を強めるか,分布などを変えることで起るものと考えられる。DNA合成はinterleukin2(IL-2)にもよるのでChs-Aはリンパ球のIL-2に対する反応にも作用すると考えられる。幼若化の初期には,一過性のCa^<2+>流入亢進が生じるがChs-A添加により影響はなかった。DNAポリメラーゼ活性についてはレクチンとしてアメリカヤマゴボウ(PWM)から分離精製し30,42,60,KDaの3種を得たが,このうち60KDaを主として用い,比較のためにインゲン豆レクチン(PHA)を使用した。リンパ球にこれらレクチンを添加後,α活性は著しく上昇した。特にChs-A(42μg/m1)添加では約40%増加した。これらの活性のピークはPHAで4日目に単一の,PWM 60KDaでは5日目と8日目に2つのピークが認められた。またリンパ球よりT細胞のみを分離して同様の実験を行ったところ,PHAは4日目に,PWM60KDaは5日目のいずれも単一ピークで,Chs-A添加により前者は約30%後者は約40%の活性増大がみられた。β活性はChs-A添加により約10%増大し,活性のピークは両レクチン共に2日目に認められ,α活性より早い時期に活性が亢進されることが見出された。γ活性についてはChs-A添加により明確な差異は認められなかった。
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