研究課題/領域番号 |
02660111
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河合 啓一 岐阜大学, 農学部, 教授 (00002064)
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研究分担者 |
高見沢 一裕 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00159005)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Pseudomonas putida GAMー1 / カドミウム耐性E.coli形質転換株 / Pseudomonas ambigua Gー1 / 六価クロム耐性E.coli形質転換株 / 重金属耐性プラスミド / 六価クロム還元酵素 / 挿入配列ISI / 重金属耐性遺伝子のクロ-ニング / カドミウム耐性細菌 / 六価クロム耐性細菌 / カドミウム耐性遺伝子 / 挿入配列IS1 / 重金属耐性 E・coli形質転換株 |
研究概要 |
1.重金属耐性Pseudomonas細菌の遺伝学的解析 (1)Cd(II)耐性Pseudomonas putida GAMー1の保有するCd(II)耐性プラスミドpGU100にコ-ドされているCd(II)耐性遺伝子のクロ-ニングを行なった。2mM CdCl_2存在下で増殖可能なEscherichia coli形質転換株が2〜4%の割合が得られた。BamHI処理により安定にCd(II)耐性を示したE.coli C600(pCDR1)を得ることができた。pCDR1の分子量は約5.0kbであり、pBR322のBamHIサイトに塩基数約800bのDNAが挿入されていた。挿入DNA断片の塩基配列は挿入配列IS1に極めて高い相同性があることが判明した。(2)Cr(IV)耐性Pseudomonas ambigua Gー1が保有している7種のプラスミドを用いて、E.coli C600を形質転換したところ、Cr(VI)耐性形質転換株を3株得ることができた。いずれの株とも共通して分子サイズを7.4kbのプラスミドを保有していた。このプラスミド上における六価クロム還元酵素遺伝子の有無について確認するに至っていない。 2.重金属耐性Pseudomonas細菌の重金属耐性機構 (1)P.putida GAMー1のCd(II)耐性は低濃度のCd(II)によりその耐性が誘導されるが、Cd(II)耐性E.coli C600形質転換株では構成的にその耐性を発現していることを認めた。E.coli C600形質転換株はCd(II)の取込みが親株に比べかなり低くなっていた。これは、エネルギ-依存性の細胞内Cd(II)蓄積阻止機構が作動しているためと考えられた。(2)P.ambigua Gー1より六価クロム還元酵素を各種クロマトグラフィ-を用いて高度に精製した。分子量は約65、000であり、約25、000の同一サブユニットからなる二量体であることが示唆された。補酵素としてNAD(P)Hを要求し、最適温度並びに最適pHはそれぞれ60℃、8.1〜8.6であった。化学量論的な解析及びESRスペクトルの結果から、本酵素が、Cr(V)を中間体としてCr(VI)をCr(III)にまで還元していることが明らかとなった。 3.重金属含有廃水の微生物学的処理 (1)P.putida GAMー1及びCd(II)耐性E.coli形質転換株とも、3.5mM Cd(II)含有人廃水に増殖した。また、P.putida GAMー1の増殖はpH5で完全に抑制されたので、低pHのCd(II)含有廃水の浄化処理を行う場合には、pHを中和する必要がある。(2)P.ambigua Gー1は150ppm Cr(VI)存在下で旺盛な増殖を示し、CR(VI)を低毒性のCr(III)にまで活発に還元した。ただし、本菌を用いて、Cr(VI)含有廃水を処理する場合は、廃水中に水素供与体として有機物を含有している必要がある。
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