研究課題/領域番号 |
02660134
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
製造化学・食品
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 五十麿 東京大学, 農学部, 助教授 (00012013)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ジベレリンの移行 / ジベレリンのイムノアッセイ / アサガオ / ジベレリン(移行) / アサガオの初期生長 / ジベレリンの動態 / イムノアッセイ |
研究概要 |
本研究においては、アサガオの芽生えを材料として高等植物の発芽・初期生長におけるジベレリン(GAs)の動態を解明することを目的とし、子葉から移動するGAsの同定と、子葉に投与したGAsの移行と代謝過程、および、移行・代謝に対する日長の影響を解析した。 子葉および篩管液の主要GAsとして、HPLCと特異抗体を用いた分析により、GA_1、GA_3、GA_<20>およびGA_<19>を同定した。 つぎに、芽生えの子葉の片方に放射性GAsを投与し、一定時間(5分〜48時間)毎にサンプリングし、処理子葉、非処理子葉、葉柄、胚軸、上胚軸に分割し、それぞれをメタノ-ルで抽出し、各部位への放射活性の分布を調べた。投与部位に残された移動や代謝に関わらないGAは除去した。処理子葉からの移動型や各部位に移動した標識GAsの同定は、HPLCの保持時間と特異抗体との反応性に基づいて行った。 その結果、アサガオ芽生えにおけるGAsの動態に関して次に示すような結果が得られた。 (1)子葉から胚軸へは多種類のGAsが移行し得る (2)この子葉から胚軸への移行は暗条件により促進される (3)胚軸から上胚軸への移行は、活性型GAであるGA_1ではほとんど見られず、GA_1はほとんど胚軸でGA_3やその配糖体に変換され不活性化される。 (4)GA_1の前駆体であるGA_<19>やGA_<20>はそのままの形で上胚軸まで移行し、活性型のGA_1等に変換される。 (5)GA19やGA20の胚軸から上胚軸への移行とその変換は、子葉から胚軸への移行とは逆に明条件によって促進される。 これらの新しい知見は、今後の高等植物の発芽、初期生長に関する植物生理学的研究の進展に大きく寄与するものと期待される。
|