研究概要 |
1)担子菌のミトコンドリアDNAの制限酵素処理と電気泳動 抽出したミトコンドリアDNAの分析のために、制限酵素(HindIII)で処理した。TE緩衝液に溶解したミトコンドリアDNAは制限酵素を混合して、37℃で2時間反応させた。反応はTAE緩衝液(40mM トリス-塩酸、2mM EDTA、pH8.0)に0.1%ブロムフェノ-ルブル-、0.1%キシレンシアノ-ルと50%グリセロ-ルを添加した混合液で停止させた。電気泳動は定電圧(60V)で行った。ゲルは1m1当り0.5μgエチジウムブロマイドを含んだ溶液で染色した。各株のミトコンドリアDNAのサイズはアガロ-ス電気泳動の結果より70ー90kbpの範囲であった。Fu9、親株、一核菌糸(MoA11とMoP16)のいずれもアプラスミド様DNAを有し、9ー10kbpの範囲で測定された。MoA11とMoP16は12個の制限酵素断片をもっていたが、融合物Fu9は15の断片を持っていた。両一核菌糸株は特有な制限酵素断片を有していた。融合株Fu9は相当する一核菌糸株の特有の制限酵素断片を有している。融合株Fu9はMoA11とMoP16とは異なった制限酵素断片を有している。これはミトコンドリアDNA間の組換えによって生じたものである。 2)パルスフィ-ルド電気泳動法による核DNAの分離と解析 サンプルブロックを適当な大きさに切りサンプル溝に入れた。チャンバ-にx0.5TBE緩衝液入れ、電圧値、パルス時間を入力した。モ-ド9で泳動開始した。泳動完了後ゲルは、0.5μg/mlのエチジウムブロマイド溶液で染色しDNAバンドを観察した。結果は、キクラゲ、アラゲキクラゲの染色体DNAは各4本で、キクラゲは6.1,5.8,4.2,3.5Mbであり、アラゲキクラゲは6.1,5.5,5.0,3.5Mbである。融合物F9、52、58、63、100も4本に見えるがおそらく5.5と5.8Mb、3.5と4.2MbのDNAは一緒になったと推察される。
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