研究課題/領域番号 |
02660220
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
窪谷 順次 岩手大学, 農学部, 教授 (00205155)
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研究分担者 |
神谷 一夫 東北農試農村計画部地域社会研究室, 室長
萬木 孝雄 岩手大学, 農学部, 助手 (30220536)
川村 保 岩手大学, 農学部, 講師 (20177736)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | リゾ-ト開発 / 第三セクタ-の開発方式 / 地域経済への波及効果 / 住民の合意形成 / 開発と環境保全との調整 / 地域資源の管理 / 自治体行政の役割 |
研究概要 |
岩手県下の農山村で、第三セクタ-方式による地域開発を進めている2つの対照的な事例として、スキ-場開発を核とした大企業主導型の大規模リゾ-ト開発の、県北安代町の安比開発と、自治体主導型の手づくりの地場産業振興とリゾ-ト開発を進めている陸中海岸の田野畑村を取り上げて、リゾ-ト開発が地域経済に及ぼす効果、開発に伴う地域資源管理や環境保全についての開発地区住民の合意形成のあり方、第三セクタ-方式による開発と地域環境の保全についての自治体行政の果す役割等を検討した。この調査研究で得られた知見は以下のとおりである。 1 安比スキ-場開設が地元にもたらした効果はかなり好ましいものであった。その要因は、スキ-場入込客数の淑増にともなう民宿・ペンション等スキ-場外の施設利用の急増であり、これが新たな雇用機会を創出し、人口流出に歯止めをかけ、出稼の減少につらなっている。さらに安比開発が町民の意識変革をもたらしたことも見逃せない。 2 開発と環境保全との調整や地域資源の管理についての住民の合意形成の方法を、安比スキ-場近接の民宿村における委員会方式による地区の構想づくりを通して考察した。そして部落会等の地縁集団が、各家の意向を反映して意思決定を行なっているのに対して、委員会方式では、各集団の意向、さらには集団に属する個人の意向が意思決定に反映されていることが明らかになった。 3 同じ第三セクタ-方式による開発であっても、自治体主導型の開発の方が、大企業主導型のそれよりも、地域の自然環境と調和した開発を進め得る余地が大きいこと、また安比開発は、リゾ-ト開発に関してきわめて大きな教育効果を、地元自治体行政に与え、今後の新たなリゾ-ト開発についての自治体の関与のあり方を示してくれたものと見ることができる。
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