研究課題/領域番号 |
02660229
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業土木
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長澤 徹明 (長沢 徹明) 北海道大学, 農学部, 講師 (30002067)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 傾斜農地 / 水食 / USLE / 融雪流出 / 小流域 / 土壌流亡 / 浮流土砂 / 土地利用 / 土壊流亡 |
研究概要 |
流域内に展開する農地は、地域生態系全体に対して多様な影響を及ぼす存在である。例えば農地は、マイナスの環境因子を緩衝する性質を有する一方において、営農方法によっては汚濁物質の発生源ともなり得る。とまれ、永続的な農業生産を維持するためには、農地が流域のなかで安定した系として調和する必要がある。ここでは、土壌流亡問題を通じた農業流域保全、とくに積雪寒冷な条件下での保全上の課題を検討し、環境調和型北方農業基盤の確立に向けて考察を加えた。2ヵ年にわたる現地調査・観測等により、下記のごとき事項が明らかとなった。 (1)傾斜農地での水食対策には、主要因である降雨の影響を定量化する必要があり、USLEの降雨係数Rはこの目的に沿うものである。しかし、AMeDS等で提供される雨量デ-タでは、USLE本来のR値が得られない。そこで種々のデ-タ型式を検討した結果、10分雨量が近似すること、また流亡土量との相関性も最大であることを確認した。 (2)融雪流出による水食影響指数は、12〜3月降水量を1.0倍することで評価されるが、北海道では過大な値となる。そこで枠試験によって修正値を求めた結果、比海道南西部で0.113,札幌で0.014と、かなり小さな値が得られた。これらは地盤凍結がない場合の値であるが、人工的に凍結させた札幌の試験区において0.081となり、約6倍の値を示した。 (3)侵食土砂が河川へ流入することを防止するため、傾斜畑の周辺には種々の防災施設が設置されるが、懸濁態成分を完全に阻止することは不可能である。ここでは、水文条件や土地利用との関連で河川浮流土砂流送特性を検討したが、とりわけ融雪期の挙動が注目された。すなわち、この時期の河川浮流土砂は、気温〜融雪量〜流量の変動と強い相関性を示す。これは又、河川により、つまり土質、土地利用、水文条件などの流域特性によって、発現形態が大きく異なってくる。
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