研究概要 |
1.ダム湖の水温変動(永瀬ダム湖) 永瀬ダム湖の年間水温変動は,春から夏にかけて成層状態で上部から下部に向かって高くなり,途中で洪水の影響を受けながら水温分布が変化し,秋から冬にかけて放熱し,水温が全層一定に近づく成層型である.湖水温はダム堤体上流300m程の位置に浮かぶゲートの上で,0m,1m,2m,2.5m,3m,3.5m,5m,以下40m深まで5mピッチで測定し、水面気温と湿度,上流の突堤上で風向・風速を測定した. 平成2年8月31日〜9月5日の湖水温は,日中気温の上昇につれて水面温度も上昇し,夜間低下する.水面に比べると,水面下1mの水温の変動は変動幅が大きい.水深5mより深い水温は,日変動はごくわずかである.平成2年10月17日〜10月26日までの水温変動は,日変動の幅が小さくなり,水温の低下は水深2mまでで著しい. 平成3年2月15日〜18日の水温変動を見ると,洪水流入の影響と思われる顕著な水温上昇が観測された.春期の湖水温の上昇が始まるのは,水深5mは平成3年3月7日から,水深15mは3月13日から,水深25mは3月23日から,水深40mは4月2日からである. 2.湖面蒸発量 湖面蒸発量の計算方法としてはボウエン比法によった.平成3年3月の顕熱伝達係数は0.078,潜熱伝達係数は0.117, 蒸発量は3.7mm/day,同4月のそれらは、0.068, 0.102,4.2mm/dayであった. ダム湖の対流現象(対流セル)の熱映像解析 3.サーモトレーサー(日本電気三栄製)によって,平成3年11月1日〜2日,同11月12日〜13日の午後19時〜午前9時の16時間撮影した.水温波長は概して15〜 .45cm,平均30cm程度,水温波高は0.4〜1.4℃で、平均1.0℃程度であった.
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