研究概要 |
弾性材に歪ゲージを貼った簡単な構造の二方向力量計を応用して,粉粒体及び液体の流量を連統的に測定する流量計の開発を行った。すなわち二方向力量計型粉粒体・液体流量計は,歪ゲージを貼った二方向力量計に取り付けた樋上を流下する粉粒体あるいは液体が樋に作用する二方向力を,それぞれ分けて測定することによって流量を測定するものであり,連統的に刻々の流量を測定できる。 実験には起歪体として鋼製の丸形とアルミニウム製の八角形を使用した。後者は流量計の感度を増すことおよび製作を簡単にすることを目的に使用した。粉粒体として籾,小麦,プラスチックビーズを用いて実験した結果,液量Qと樋の床面に平行で流下方向に作用する力FXあるいは樋の床面に垂直に作用する力FYは,Q=GX・FX又はQ=GY・FYで表された。このGX,GYは,流下粉粒体の特性,特に動摩擦係数μによって変動することが明らかになった。二方向に作用すり力の比FX/FY=μとしてGXあるいはGYの値を算出して,流量Qを演算・表示するデジタル指示計を試作した。このデジタル指示計について実験の結果,高い精度で流量を指示することが明らかとなった。液体として水を用いて実験した結果,液体の質量によって生じる樋の床面に垂直な重力方向の力と液体の怙性によって生じる床面に平行な流下方向の力とは,両者ともに流量の増加に伴って,各力の増加割合が減少する指数曲線的な傾向を示すことを確認した。液体の場合には,流量が増加すると流下速度が指数的に増大することによって床に垂直方向の力が相対的に減少し,平行な方向の力は,流路と液体が接触する面積の増加割合,流況の差異にも影響を受けることが明らかになった。
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