研究課題/領域番号 |
02660307
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
武脇 義 岐阜大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (00021717)
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研究分担者 |
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70195866)
阿閉 泰郎 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90151084)
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 血管 / 内皮細胞 / 平滑筋 / 膜電位 / 膜電流 / アセチルコリン |
研究概要 |
循環系の調節機構は極めて複雑であるが、局所性の液性調節因子の生産・放出に関与する内皮細胞を病態生理学的立場から明らかにすることを企図し、以下の結果を得た。 (1)モルモット摘出腸間膜動静脈ー腸管標本を用いた、ぜん動運動反射機構に及ぼす内皮細胞の役割として、(a)内皮細胞のムスカリン受容体刺激下では、ぜん動運動反射は促進された。(b)内皮細胞で生産・放出されている一酸化窒素(NO)を外因性に標本に適用すると、ぜん動反射頻度はNOの濃度に依存して増加した。(c)NOの作用を遮断するヘモグロビンやメチレンブル-の前適用した標本では、NOのぜん動促進効果は惹起されなかった。(d)NOの合成阻害剤であるNーmonomethyl Lーarginineの前適用した標本では、ムスカリン受容体刺激にも拘らずぜん動反射運動は、殆ど影響を受けなかった。これらの結果は、腸管のぜん動反射は内皮細胞から放出される生体活性因子により制御されていることが推察される。(2)モルモット、ラットなどの胸部大動脈より単離した内皮細胞をパッチクランプ法により電気生理学的に解析し、次の結果を得た。(a)cellーattachedパッチにより、単一ユニットからなるチャネル電流が記録され、insideーoutパッチの状態でも短時間は保持電位が-60mV付近でチャネルの開口は生じたが、その後記録されなくなった。(b)保持電位を0mVにすると一時的にチャネル電流が活性化されることが分かった。(c)チャネルの開口確率が0.5から0、005までに要する時間は過分極が大きい程短かかった。これらの実験結果から、内皮細胞の膜上の受容体刺激は、膜透過性を変えると共に、内皮細胞内においてNOなどの平滑筋の収縮弛緩因子を生産・放出することにより刺激応答して循環調節を制御する重要な機能を果たしていると推察される。
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