研究課題/領域番号 |
02660312
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝昭 宮崎大学, 農学部, 教授 (70136795)
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研究分担者 |
村上 和保 (村水 和保) 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00190877)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / 抵抗血管 / 筋小胞体 / カルシウムチャンネル / カルシウム遊離 / 高血圧血管 / α_1ーアドレナリン受容体 / プロテインキナ-ゼC / α_1受容体 |
研究概要 |
抵抗血管平滑筋の細胞Ca動員機構を明らかにするために、抵抗血管におけるCaチャンネルからのCa流入と細胞内Caストア(筋小胞体)からのCa遊離の関係、病態血管における細胞質Ca濃度調節、受容体を介する収縮における細胞外Caの利用等について検討し、弾性血管(大動脈)の結果と比較した。 1.筋小胞体修飾薬ryanodineを試薬として用いて、ラット腸間膜動脈抵抗血管で細胞外からのCa流入は筋小胞体からCa遊離を引き起こすことを明らかにした。また筋小胞展は静止時には細胞質でCa濃度が過剰に上昇しないよう緩衝的役割をもつが、Caチャンネル開口時にはCaを遊離して収縮を増幅することも示唆された。従来抵抗血管では収縮における筋小胞体の役割は過小評価されていたが、この増幅機構は弾性血管におけるものと同等の生理的意義をもつと考えられた。2.血管に慢性的な病態を生じているモデルとして高血圧自然発症ラット(SHR)の末梢血管の性質を検討し、SHRの血管では高血圧発症初期に細胞質Ca濃度が上昇し、そのCaがCa依存性Kチャンネルを活性化し、みかけ上は正常血圧動物の血管と同じ静止電位を維持していることを見いだした。これよりSHR血管では同じ静止電位で正常血圧動物よりもCaチャンネルが開きやすくなっていることが示唆された。3.交感神経α_1受容体を介する収縮をラット大動脈で解析し、その収縮にはCa濃度増加に依存せずおそらくプロテインキナ-ゼCを介して収縮系のCa感受性を増加させる作用が一部寄与していることが明らかとなった。抵抗血管のα_1受容体を介する収縮に同様の機序が関与するかは検討中である。4.ウサギ腸間膜動脈のスキンド標本を用いて筋小胞体のCa取り込み能とCa遊離を担うセカンドメッセンジャ-であるイノシト-ル3燐酸(IP_3)の関係を検討し、IP_3はCa遊離だけでなく、Ca再取り込みの調節にも関与している可能性を見いだした。
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