研究概要 |
SVCV Nメッセンジャ-RNAからpN1ー4クロ-ンを得たがこのクロ-ンは5'末端近くの塩基配列を欠落していたのでDdeIで切断した632ヌクレオチドからなるサブクロ-ンを得た.ついでこのクロ-ンの塩基配列よりプライマ-用の塩基配列を決定した.このプライマ-とウイルスRNAとをアニ-リング後,逆転写酵素でRNAーcDNA複合体を得た.Cテイルした複合体をpBR322のPstIサイトにクロ-ニングして得られたクロ-ンはpN1ー4のDdel断片あるいはM DNAのAccI断片を ^<32>Pでラベルしたプロ-ブでコロニ-ハイブリダイゼ-ションした.陽性クロ-ンのうち最大のクロ-ンN8,M1ー3について塩基配列を決定した.この2つのクロ-ンは一部がオ-バ-ラップし,SVCV M遺伝子のデ-タおよびVSVの該遺伝子との比較からN8クロ-ンはNタンパク質の大部分とMタンパク質のほとんどの配列を含んでいた.一方,M1ー3クロ-ンはMタンパク質のほとんどの配列とGタンパク質のおおくの配列を有していた.これらの成績からN遺伝子に続いてM遺伝子,G遺伝子の配列であることが明かとなった. つまり3'.NーMーG.5'であり,VSVの配列NーNSーMーGーLとは異なる配列を示していた.この成績から,NS遺伝子の位置はN遺伝子の前,GあるいはL遺伝子の後ろであろうと考えられる.また,SVCV NーMとMーGの遺伝子間には(3').UAUACUUUUUUUGAUUGUCUGUAGUACAGAU.(5')配列が認められる.これらの塩基配列はおそらくそれぞれのmRNAに対する3'のポリアデニ-ル化および5'の転写の開始シグナルであろうと予想された.ラブドウイルスに属するCHANDEPURAウイルスのN遺伝子およびG遺伝子との部分的タンパク質のホモロジ-はそれぞれ44および30%であった.
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