研究概要 |
豚リンパ球のILー2レセプタ-を免疫学的におよびそのmRANをdot blot hybridization法で検索が可能性かを検討し以下の成績を得たので報告する.1)豚リンパ球のILーレセプタ-の免疫学的検索法:まず市販抗ヒトILーレセプタ-蛍光標識単クロ-ン抗体と蛍光分光光度計の利用可能性を検討した.初めに,自家製の抗豚IgM蛍光標識抗体で蛍光染色リンパ球の蛍光強度測定をした.励起,蛍光波長はそれぞれ495nm,526nmが至適であった.また,細胞数は2×10^6個で容量1mlを1cm角のセルにいれるのがが蛍光強度の測定には適切である.また,抗ヒトILー2レセプタ-単クロ-ン抗体がCTLLー2細胞,豚ILー2依存性長期継代細胞に利用出来た.従って本法で豚ILー2レセプタ-の測定が可能と思われる.以後蛍光標識抗ヒトILー2レセプタ-単クロ-ン抗体で染色し,蛍光顕微鏡と蛍光分光光度計で計測した.ILー2レセプタ-陽性細胞の総蛍光強度は脾臓,腸リンパ節,パイエル板細胞について比較すると,パイエル板細胞>脾臓細胞>腸リンパ節細胞であった.2)豚リンパ球のILー2レセプタ-mRNAの検出:非放射性検出法の検討とヒトプロ-ブcDNAの利用の可能性を検討した.非放射性標識物質としてdigoxigeninを用い,dot blot hybridizationを行ったところ,9.4×10^5コピ-まで検出可能であった.また,ヒトプロ-ブは豚継代リンパ球由来のmRNAと反応することも明らかになった.これらの成績にもとずきdigoxigeninを標識したヒトILー2レセプタ-cDNAをプロ-ブとして培養2日の豚リンパ球由来のmRNAとのdot blot hybridizationを行うこととした.その結果,ILー2レセプタ-mRNA量はパイエル板細胞>脾臓細胞>腸リンパ節細胞であった.今後,これらの方法でのさらにデ-タの集積を行うとともに,長期継代細胞の種類を増し,豚ILー2レセプタ-の性状解析,単クロ-ン抗体の作成を試みる.
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