研究課題/領域番号 |
02660333
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
勝部 泰次 日本大学, 農獣医学部, 教授 (50072880)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非定型抗酸菌症 / 豚 / 鳩 / 人畜共通伝染病 / 疫学 / Mycobacterium avium / Mycobacterium intracellulare / ペプチドグリコリピド(PGL) / Mycobacteium aviumーintracellulareーscrofulaceum complex / 血清型 / クロマトグラフイ-(TLC) / cobacterium avium intracellulareーscrofulaceum complex (MAIS) / グリコペプチドリピッド(GPL) / 薄層クロマトグラフィ-(TLC) |
研究概要 |
平成4年度における研究成果は以下の通りである。1)非定型抗酸菌感染豚の病変部より高速液体クロマトグラフィーで血清型特異抗原(ペプチドグリコリピド、PGL)を抽出し、ELISA法で感染菌の血清型の同定を試みた。検体中に10^3‐10^4/g以上の菌の存在が必要であるが、従来法で数カ月を要する感染菌の血清型が2日以内に同定できた。2)抽出PGLの薄層クロマトグラフィー(TLC)における移動度で分離株の血清型を同定する方法、および野鳥などにおけるM. aviumの分布については検討続行中である。3)国内の動物より分離したM. avium 1型(豚株),2型(鳩株)のR型、S型集落、ならびにM. avium 14141‐1395株(血清型2型標準株)のS型集落の鶏に対する病原性を検討したところ、R型の病原性はS型のそれよりも強く、前者はYersin型、後者はVillemin型の感染を起こした。 平成2年から平成4年の3カ年にわたる研究成果を総括すると以下の通りである。1)動物とくに豚における非定型抗酸菌症の発生は増加する傾向にある。2)豚における本症の原因は主としてM. intracellulare inter‐mediate型であったが、少数例は人に病原性を示すauthentic型に感染していた。3)従来わが国の家畜に発生しないとされていた M. avium感染が少数例の豚に見られた。また、本菌による感染症が輸入鳩にも発見された。4)M. aviumは各種の鳥類ばかりでなく、人に対しても病原性を有するので、その分布についてより広範な疫学調査を行なう必要がある.5)各養豚場における本症の発生状況を比較検討した結果、豚の感染源として豚舎およびその周辺の環境が重要と考えられた。6)血清型特異抗原であるPGLに対するTLCあるいはELISAで分離菌および病変部に存在する菌の血清型の迅速同定が可能となり、疫学調査における有力な手段として活用できるものと考えられた。7)豚は人の非定型抗酸菌症の感染源の一つとして注目すべき存在と考えられた。
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