研究課題/領域番号 |
02670002
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
千葉 正司 弘前大学, 医学部, 講師 (40003652)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 坐骨神経 / 梨状筋 / 仙骨神経叢 / 神経線維解析 / 脊髄分節構成 / 仙前椎 / 変異 / 肉眼解剖学 |
研究概要 |
解剖実習体257体において、仙骨神経叢各枝の梨状筋貫通に関して、肉眼解剖並びに顕微解剖学的、また統計学的に調査・解析して、貫通現象の形成機構について追究した。 1.梨状筋貫通の形態は、正常例、貫通例、梨状筋上孔通過例を含めて13型33亜型に分類され、各型の出現頻度に男女差と左右差のないこと、また貫通部位が内側型と外側型に区分できることを明らかにした。 2.梨状筋貫通は仙骨神経叢背側層に起こる神経全体の現象であり、それは神経線維解析によって、第2腰神経の高さで、下殿、総腓骨、後大腿皮の3神経間の線維連絡として実証された。梨状筋貫通の優先序列は、上殿神経尾側枝、下殿神経、後大腿皮神経腹側根、脛骨神経腹側根の順となり、脊髄分節が高く、背側に起始する神経ほど容易に梨状筋を貫通した。内側型の一部では、総腓骨神経と後大腿皮神経の順位が逆転し、分節の高い神経成分がより腹側を、分節の低い成分が背側を経過して、同一神経間の交叉現象を生じた。 3.梨状筋貫通は、第12助骨の長さ、仙前椎の数、岬角や分岐神経の形状、仙腸関節の高さ、梨状筋の起始高、仙骨神経叢や各神経の脊髄構成などの、分節構造の変化(ズレ)から独立した現象であることが判明した。 4.梨状筋は、総腓骨神経の背側、中間、腹側に位置し、支配神経は上殿神経尾側枝から脛骨神経の背側面にかけて漸次由来した。支配神経の起始と筋内分布によって、中殿筋背側部から梨状筋腹側筋束(脛骨神経を貫く異常筋を含む)までの筋集団は、互いに移行でき、個体発生学的に同一筋原基からの派生が示唆された。 5.梨状筋は総腓骨神経を囲繞して発達し、それが梨状筋貫通例を生じ、背側筋束より前の筋原基が出現しないか退化して正常例となり、上孔通過例は、貫通例における頭側筋束の中殿筋背側部への瘉合から導かれる。
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