研究課題/領域番号 |
02670017
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
高田 邦昭 杏林大学, 医学部, 助教授 (20129290)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 血液ー組織関門 / グルコ-ス輸送体 / 血液ー脳関門 / 内皮細胞 / 上皮細胞 / GLUT1 / ラット / 細胞膜 |
研究概要 |
生体内には、脳をはじめとして、血液と組織細胞との物質交換が必ずしも自由には行われない、いわゆる「血液ー組織関門」の存在する組織がある。この関門部をグルコ-スがどのような機構により通過しているかを検討するため、細胞膜蛋白質であるグルコ-ス輸送体に注目し、その局在分布を検討した。促進拡散型グルコ-ス輸送体は、現在までに5つのisoforms(GLUT1ーGLUT5)が知られている。今回はヒト赤血球膜グルコ-ス輸送体分子を抗原として作製した抗体と、HepG2グルコ-ス輸送体C末の合成ペプチドに対する抗体の2種を用いて、GLUT1(赤血球/HepG2型グルコ-ス輸送体)の分布を検索した。SpragueーDawley系ラットから各種組織を取り出しイムノブロット法と凍結切片の免疫組織化学染色によりGLUT1を検索した。閉鎖帯によって結合された血管内皮細胞を有する血液ー組織関門部(脳、網膜、虹彩、未梢神経)では内皮細胞がGLUT1陽性であった。陽性部位は細胞膜の全周にわたった。一方、血液ー組織関門の存在しない組織の内皮細胞細胞膜はGLUT1陰性であった。閉鎖帯によって結合された上皮細胞が血液ー組織関門を形成する場合(網膜色素上皮、毛様体、脈絡叢、末梢血管神経周膜)では、関門をなす上皮細胞細胞膜がGLUT1陽性であった。また胎盤関門を形成する合胞体性栄養膜の細胞膜もGLUT1陽性であった。このように、GLUT1グルコ-ス輸送体は血液ー組織関門部に豊富に存在し、グルコ-スの関門通過を司っていると思われる。今後は、他の4つのisoforms(GLUT2ーGLUT5)の存在の有無についても検討を加えていきたい。
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