研究課題/領域番号 |
02670032
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
島田 眞久 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00084830)
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研究分担者 |
赤木 規子 大阪医科大学, 医学部・解剖学, 助手 (60192879)
後藤 秀幸 大阪医科大学, 医学部・解剖学, 助手 (20142656)
渡辺 正仁 大阪医科大学, 医学部・解剖学, 助教授 (70084902)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | hippocampus / microvessel / insulin / insulin reseptor / glucose transporter / laminin / immunohistochemistry / Hippocampus / insulin receptor / Capillary density / Insulinーreceptor |
研究概要 |
脳のエネルギ-代謝を規定している諸因子として、毛細血管、ラミニン、シナップス、インスリン、インスリンレセプタ-、グルコ-ストランスポ-タ-を選び、学習、記憶に深く関与しているといわれている海馬領域におけるこれらの密度分布を測定した。次に、脳のエネルギ-代謝が低下する加齢モデルとして、亜硝酸による急性anemic hypoxia実験を用い、シナップスの量的変化、GFAP法によるアストログリアの形態学的変化を観察、次の結果を得た。毛細血管は、分子ー網状層が最も高い密度を示し、CA3aを除く錐体細胞層、顆粒細胞層が最も低かった。これに伴い、毛細血管の基底膜を構成しているラミニンも同様の濃度分布を示したが、脳実質の錐体細胞、顆粒細胞にも免疫陽性像が観察された。これに対して、インスリン、およびインスリンレセプタ-は、逆に分子ー網状層より錐体細胞、顆粒細胞層が有意に高いことが明らかにされ、脳におけるインスリンは他の臓器と異なりグルコ-スの取り込みに直接関与していないことが強く示唆された。また、脳は赤血球の膜と同じくfacilitated diffusionによりグルコ-スを取り込むと言われ、この機構はグルコ-ストランスポ-タ-の介在によるとされている。免疫組織学的検索によるグルコ-ストランスポ-タ-の分布は、海馬領域では、毛細血管の壁が強陽性に染まっているのが観察された。従って層的分布は、毛細血管密度と一致するわけであるが、脳実質でも陽性像が認められ、その分布も血管密度と同じであった。次に、エネルギ-代謝を低下さす目的で亜硝酸による低酸素負荷実験を行なったが、乳酸蓄積を伴う強低酸素負荷にもかかわらず、海馬領域の各層でのシナップスの量的減少は見られず、またこの条件では明らかに脳の浮腫が見られる強い負荷にもかかわらずGFAP法によるアストログリアの形態に何ら変化が見られなかった。
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