研究課題/領域番号 |
02670040
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢田 俊彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60166527)
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研究分担者 |
加計 正文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90214270)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 膵β細胞 / 細胞内カルシウム / 顕微測定 / グルコ-ス / 代謝 |
研究概要 |
ウィスタ-系ラット膵島をコラゲナ-ゼ法にて採取し機械的に単一細胞に分離し、furaー2顕微測光法により37℃表面潅流下にてβ細胞内Ca^<2+>濃度[Ca^<2+>]_iを測定した。 (1)16.7mMグルコ-ス刺激に対し、[Ca^<2+>]_iは約0.5分のlagを伴ったゆるやかな減少と、約3分のlagを伴った急峻な増加を示した。(2)温度を26℃へ低下させると[Ca^<2+>]_iの減少と増加のlagの延長と振幅の減少が見られた。(3)グルコ-ス代謝阻害剤Mannoheptuloseはグルコ-スによる[Ca^<2+>]_i減少と増加を共に阻害した。(4)グルコ-ス代謝中間体Glyceraldehydeは[Ca^<2+>]_i減少と増加をもたらした。(5)電子伝達系阻害剤KCNは[Ca^<2+>]_i減少と増加を可逆的に阻害した。(6)グルコ-ス刺激によりATP依存性Kチャネル電流の抑制が見られ、そのlagは[Ca^<2+>]_i増加のlagと良く一致した。(7)10^<-5>Mアセチルコリン(ACh)は一過性の[Ca^<2+>]_i上昇を誘起し、それは細胞内貯蔵部からのCa^<2+>遊離によった。グルコ-スを1mMから5mMへシフトすると[Ca^<2+>]_i減少のみが出現したが、その後AChを加えると[Ca^<2+>]_i上昇応答が増強された。以上の結果より、グルコ-ス刺激に対するβ細胞[Ca^<2+>]_iの減少と増加の機構として次の点が明らかとなった。 (1)グルコ-スに対するβ細胞[Ca^<2+>]_iの減少と増加は共にグルコ-ス代謝に依存する。 (2)[Ca^<2+>]_iの減少と増加をもたらす細胞内メディエ-タ-として、ピルビン酸以降のグルコ-ス代謝産物、NADH,H^+,ATP等が有力な候補に挙げられる。 (3)グルコ-ス代謝産物によるATP依存性Kチャネル抑制が[Ca^<2+>]_i増加をもたらす主たる機構である。 (4)グルコ-スによる[Ca^<2+>]_i減少の主たる機構はACh感受性の細胞内Ca^<2+>貯蔵部へのCa^<2+>取り込みによる。
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