研究概要 |
タンパク修飾試薬 ^<14>Cーphenylglyoxalを用いた一連の実験から、カエル骨格筋単一線維および心筋の興奮収縮連関機講のkeyタンパクとして、「新電圧側定受容体タンパク」、分子量31.5KDの糖タンパクを溶出した。骨格筋および心筋の興奮収縮連関機構において重要な役割を演じている「新電圧判定受体タンパク」の生理的役割および細胞内局在について研究し以下の実験結果を得た。 (1)カエル骨格筋の31.5KDタンパクに対するモノクロ-ナル抗体を作成し、このタンパクの生理的役割を明かにした。カエルtoe muscleから遊離した単一線維の興奮収縮連間機構に対するモノクロ-ナル抗体の影響を検索した。等張条件で抗体を作用された場合は、short tetanus,twitch tension,Kー痙縮張力とも抗体により有意に影響されなかった。185mM NaCl高張条件下で抗体を作用させると、short tetanus,twitch tension,およびKー痙縮張力は、抗体により有意に抑制された。しかし、APおよびRP,Caffeine痙縮は何ら影響されなかった。つまり単一線維の興奮収縮連関機構が高張条件で抗体により特異的に抑制された。等張条件で抗体が有効でない理由として、この抗原タンパクの局在が関係している可能性がある。このタンパクは興奮収縮連関機構の入口に存在する「電圧側定受容体タンパク」であるが、T膜の内面にあり、等張条件では抗体が作用しにくい場所に存在しているものと思われる。 (2)この「新電圧測定受容体タンパク」の局在を免疫組織化学電顕的手法により、カエル骨格筋から得られた31.5KDタンパクの抗体を用いて,カエル骨格筋単一線維内局在を検索した。アビジンービオチン法を用いて行った結果は、footに面したT膜上に黒い陽性物として確認された。この部位は、興奮収縮連関機構の入口に相当する。 (3)ネコ乳頭筋の場合も同様な生理的役割および細胞内局在が証明された。 以上の成績は、PGO結合糖タンパク31.5KDが、骨格筋および心筋の興奮収縮連関機構において、「新電圧測定受容体タンパク」としての役割を演じている可能性を強く示唆している。
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