研究課題/領域番号 |
02670099
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
重信 弘毅 東邦大学, 薬学部, 教授 (50012654)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 心筋 / 神経支配 / 薬物感受性 / サイクリックAMP / 器官培養 / β受容体 |
研究概要 |
堤出した研究計画に従って、本年度は次のような研究実績が得られた。神経支配以前のラット心房の高いノルエピネフリン感受性は機能的神経支配が成立すると低下し、感受性の低下した心房を器官培養に供すると再び高い感受性を獲得するが、この感受性上昇がどのような物質を培養液中に加えることによって抑制出来るかを試験するのが本年度の実験計画である。このような物質の検索によって Neurotroplic substanceの実態に近付こうとするものである。本年度試験した物質とその結果は次の通りである。ラットの血清、右心房抽出物、上頚神経節抽出物、輸精管抽出物などの生体抽出物は全く作用を示さなかった。また、カルバコ-ル、インスリン、コ-チゾン、チロキシン、ニュ-ロペプチドY,等の化学物質の添加も作用を示さなかった。前に報告した通り、ノルエピネフリンの添加そのものが最も効果があり、感受性上昇をほぼ完全に抑制した。また、その効果はβ遮断薬で消失し、α型遮断薬では影響されなかった。そこで、細胞内サイクリックAMP(cAMP)の上昇を起こすような物質を試験した結果、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(carcitonin gene relted pepatide:CGRP)、フォルスコリン、8ーブロモcAMPなどが部分的に抑制作用を示した。これらの結果から、神経支配によるノルエピネフリン感受性の制御には細胞内cAMP濃度が関与する機構が何等かの役割を演じていることを示唆した。また、受容体結合の実験からβ受容体そのものは大幅な変化をしていないことも見いだしたので、変化にはcAMPの関与も含めた受容体以降のプロセスが関係していると考えられる。こりれらは一応矛盾のない結果であるが、詳細なメカニズムの解明には更なる研究を要する。
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