研究課題/領域番号 |
02670101
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田中 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (10080954)
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研究分担者 |
横尾 秀康 久留米大学, 医学部, 講師 (00174847)
津田 彰 久留米大学, 医学部, 講師 (40150817)
吉田 眞美 久留米大学, 医学部, 助教授 (50148285)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 脳内透析潅流法 / 脳内ノルアドレナリン放出 / 高速液体クロマトグラフィ- / ストレス / 視床下部 / 抗不安薬 / ジアゼパム / ベンゾジアゼピン |
研究概要 |
脳内透析潅流法は、生体を用いてin vivoの状態で、脳内の神経伝達物質の放出過程を、より直接的にしかも経時的に検討するにの優れた方法である。本法についての従来の報告は主としてdopamineに関するものが多かったが、私達はnoradrenaline(NA)について本法を確立することを目的とした。体重250〜300gのWistar系雄性ラットをpentobarbital麻酔下に、脳固定装置に固定し、U字型の透析チュ-ブ(透析膜長5mm外径0.25mm、MW cuttoff 5000)をPaxinos とWatsonのラット脳アトラスにしたがい、左前視床下部(Bregmaより後1.8外側0.8、脳表面から9.0mm)に植込んだ。手術24時間後に潅流装置に接続し、ラットが自由に動ける状態で、1.7μl/minの流速で潅流を行った。20分間に得られる潅流液を1フラクションとした。1フラクション中のNA含量を電気化学検出器付きの高速液体クロマトグラフィ-により定量した。視床下部における基礎遊離量は5.47±0.37pg/20minであり、1時間の基礎遊離量はきわめて安定していた。20分間の金網による拘束ストレスを負荷すると拘束時のフラクションでは基礎放出量の約2.1倍という有意なNA放出の増加が認められた。この視床下部における拘束ストレスによるNA放出の増加は、あらかじめbenzodiazepine系の代表的抗不安薬であるdiazepam 5mg/kg投与することにより有意に抑制された。非ストレス状態のラットに同量のdiazepamを投与したのみでは、潅流液中のNA含量に有意な影響を与えなかった。またbanzodiaepine系薬物の競合的拮抗薬であるRo15ー1788 5mg/kg投与することにより、ストレスによるNA放出を抑制するdiazepamの作用は有意に拮抗された。これらの結果から、ストレスにより視床下部のNA放出が亢進すること、しかもその亢進は抗不安薬があるdiazepamによりbenzodiazepine受容体を介して抑制されることが脳内透析潅流法により直接的に証明された。
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