研究課題/領域番号 |
02670102
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
桂木 猛 (柱木 猛) 福岡大学, 医学部, 助教授 (40004717)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | モルモット / 精管 / 回腸縦走筋 / 心房筋 / ATP / 伝達物質受容体刺激 / 後シナップス性遊離 / シナップス遡行性神経伝達調節 / 非神経性ATP遊離 / ATP誘発性ATP遊離機構 / モルモット回腸縦走節 / モルモット精管 / シナプス横断性神経伝達調筋 / 電位依存性カルシウムイオンチャネル開放 |
研究概要 |
標記研究課題についての最終年度の研究成果の概要は以下に示す通りである。本研究はATPの非神経性遊離の特性およびその生理的意議を明らかにするために行われた。実験はモルモット精管、回腸縦走筋および心房筋を用いATPはluciferinーluciferase法により、AChはHPLCーECD法によりそれぞれ測定された。1.平滑筋組織(1)伝達物質受容体刺激と非神経性ATP遊離:精管および回腸標本からのATPの遊離は種々の受容体刺激薬の中NAおよびACh投与後に特に著明であった。従って伝達物質受容体刺激とcoupleした非神経性ATP遊離の可能性を示す。(2)ATP誘発ATP遊離機構の存在:α,βーmATPなどの安定型P_2ーagoーnistは両標本において、収縮と共に著しいATP遊離を引起こした。これらの反応はP_2ーantagonistのsuraminで拮抗されたので、平滑筋にはATP誘発ATP遊離機構が存在する。2.心筋組織(1)心房筋からの非神経性ATP遊離:電気刺激による心房筋の収縮およびATP遊離はisoprotenenol(Iso)などの強心薬によっていずれも増強された。IsoによるATP遊離はβ_2ーantagonistのbutoxamineによってほとんど影響されず、propranololによってほぼ完全に拮抗されたのでこれは非神経性の遊離であると考えられる。3.その生理的意議(1)非神経性遊離ATPによる神経伝達調節:回腸からの電気刺激誘発ACh遊離はα,βーmATPにより抑制され、これはP_1およびP_2ーantagonistまたectoenzyme阻害剤によって拮抗された。このATP analog は非神経性にATPを遊離させるので、遊離ATPはadenosineとなり、これがneuromodulatorとして作用するものと考えられる。(2)ATPによるCa^<2+>ーchannel活性化:ATPは回腸などでCa^<2+>流入を促進し、収縮を引起こしたが、これはCa^<2+>ーantagonistのnefedipineで拮抗された。以上の結果、非神経性にシナプス中に遊離したATPは神経伝達に対して、主に抑制性調節を行なうが、時には促進性に働く可能性もあり得る。
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