研究課題/領域番号 |
02670118
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
伊藤 誠二 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 副部長 (80201325)
|
研究分担者 |
芦高 恵美子 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究助手
ASHITAKA Emiko (OKUDA Em) Osaka Bioscience Institute, 4th Dept., Technician
小田 紀子 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 共同研究員
洲鎌 和茂 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (40206397)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | プロスタグランジンD_2 / cAMP / 非クロマフィン細胞 / 受容体 / クロ-ニング / FRTL5細胞 / EBTr細胞 / 星状細胞 / プロスタグランジンD_2(PGD_2) / アデニレ-トシクラ-ゼ |
研究概要 |
前年度、非クロマフィン(NC)細胞のmRNAより作製したcDNAライブラリ-をラット甲状腺由来のFRTL5細胞に遺伝子導入を行い、約1,500個の安定したトランスフォ-マットを得たことを報告した。今年度、これらの細胞についてPGD_2による細胞内cAMP濃度の変化について検討した結果、一次スクリ-ニングでは1168細胞株のうち155個の細胞がPGD_2により1.5倍以上のcAMPの上昇が認められた。さらに、二次、三次とスクリ-ニング行った結果、7種類の細胞がPDG_2と反応してcAMPを上昇させたが、中でもA4ー7は再現よくPGD_2と反応し、1.4ー1.8倍程度のcAMPを上昇させた。また、PGD_2受容体のアンタゴニストであるBWA868CやAH6809でPGD_2によるcAMPに抑制が見られたことから、PGD_2受容体遺伝子がこの細胞内で発現していることが示唆された。そこでCOS7細胞とA4ー7細胞を融合させ、クロモゾ-ム外にでたpcD2プラスミドをHitt法で回収し、コンピテント細胞に遺伝子導入し、200コロニ-からプラスミドを抽出した。BamHlとXholで切断してインサ-トcDNAのサイズを調べた結果、15種類の異なるcDNAサイズを含むクロ-ンが得られた。これらを再度FRTL5細胞に遺伝子導入し、60時間後にcAMPアッセイを行った結果、PGD_2に反応してcAMPを1.2ー2倍上昇させるクロ-ンが一つ得られ、現在このクロ-ンの塩基配列を解析中である。一方、前年度、PGD_2はcAMPを介して牛胎児気管由来のEBTr細胞のDNA合成、cーmyc遺伝子の発現を抑制することを明らかにしたが、PGD_2がcAMPを介して細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2ー>]i)の上昇を引き起こすこと、逆に他のホルモンの[Ca^<2ー>]iの上昇を抑制することを見いだした。また、ラット脳星状細胞ではPGD_2はPGF_<2a>受容体を介して[Ca^<2ー>]iを上昇させることを明らかにした。このようにPGD_2の情報伝達機構は多様であり、一日も早くPGD_2受容体遺伝子のクロ-ニングを行い、解明したいと考えている。
|