研究課題/領域番号 |
02670131
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増田 高行 東北大学, 医学部, 助教授 (00113910)
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研究分担者 |
石井 元康 東北大学, 医学部, 助手 (30159678)
安保 徹 新潟大学, 医学部, 教授 (30005079)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 肝臓類洞 / B型肝炎 / γδーTリンパ球 / 免疫組織化学法 / NK細胞 / 免疫電顕法 / インタ-フェロン / γ^δーTリンパ球 |
研究概要 |
肝炎の病態の中で重要な役割を示すpiecemeal necrosis部分では、肝炎ウイルスが認められないにもかかわらず強い肝細胞障害像が認められる。このメカニズムに自己応答性のリンパ球の関与を推定し肝炎の発生機序について検討した。自己応答性のクロ-ンとしては肝臓などで胸腺外分化するTリンパ球を考え、ウイルスに感染した肝細胞を監視、排除しているものと推測した。手術時や肝生検材料についてγδ細胞を認識するモノクロ-ナル抗体を用いて免疫組織化学方法で肝臓局所の免疫反応を観察した。健常なヒト肝臓においては、類洞壁に沿ってγδ細胞が散在性に認められ、その特性を二重免疫組織化学法により検索するとγδ細胞はCD3^+4^ー8^ーであることが判明した。電顕による観察では長円形の大型リンパ球を示し、類洞内皮細胞に多数の突起で付着していた。豊かな細胞質を有し、通常は顆粒を持っいなかったが、ごく稀に細胞質内顆粒を認めた。この肝臓のリンパ球を分離し、ILー2刺激下で培養すると多数の細胞質内顆粒を認め、電顕的にLGLの形態を示し、活性化したものではNK様の細胞機能が推測された。B型肝炎ではspotty necrosis部にCD8陽性リンパ球に混じってγδ細胞が多数認められ異常自己の肝細胞障害に関与していると推測された。グリソン鞘周囲のpiecemeal necrosis部でもγδ細胞が確認されたが、このリンパ球はインタ-フェロン投与により著明に増加し、中止すると再び元の数に戻った。これらのγδ細胞は末梢血液やリンパ節で見られるものと同様小型形態を示し、spotty necrosis部の肝細胞障害巣とは異なり、末梢血液から由来する可能性が示唆されたがこれからの課題である。このリンパ球集簇には接着分子が関与するものと推測し研究を継続している。類洞以外の肝細胞膜に発現したICAMやグリソン鞘血管のELAMがγδ細胞の集簇に関与している可能性が示唆された。
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