研究課題/領域番号 |
02670153
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
大朏 祐治 高知医科大学, 医学部, 教授 (30136387)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | HTLVーI / Carrier / Lymphocyte / Tーcell antigen / Tーcell receptor / Ultrastructure / HLAーD / Immunoelectron microscopy |
研究概要 |
HTLVーI抗体陽性キャリア-8名の末梢血短期培養リンパ球を用いて、ウイルス産生T細胞の表現型を同定するために、未固定のままCD4またはCD8でフェリチン抗体間接法により標識し、ウイルス粒子を中心に、各陽性細胞の微細構造を標識状況と共に検討した。8名いずれもPA法では陽性であったが、蛍光抗体法では4名のみが陽性であり、PA法ではいずれも2^6以上であった。ウイルス粒子は3名のみに確認された。CD4陽性細胞には、2型が識別された。第1型は、やや大型で核・胞体共に明るく、標識は分節状で1〜数カ所にみられたが、周囲に存在するウイルスを巻き込んだ形での標識は認めなかった。第2型は、N/C比の大きな小型細胞で、表面はびまん性または長い分節状に標識されていた。これら2型がマウスのTh_1、Th_2に該当するかどうか興味深い。又、CD8陽性細胞は、CD4陽性細胞の第2型に類似しているが長短の分節状に非常に強く標識されCD4によるものとは異なっており、ウイルスもその部の細胞と共に標識されていなかった。以上本実験条件下では、CD4には2型が区別され、CD8とは標識状況が異なっており、且つ細胞膜は標識されたがウィルスは非標識であった。又、ウイルスはCD4陽性細胞から産生されると考えられた。抗体との反応前にPLP固定を行った細胞では、細胞膜はびまん性標識であり、ウイルスが存在する場合には細胞膜と同様の標識が得られた。又、T細胞受容体抗体との反応では、WTー31抗体は、小型リンパ球の表面にのみ陽性であり、βF_1抗体は、粗面小胞体や核膜に陽性であったが表面には標識はみられず、ウイルス産生長期培養株では、HLAーD、lLー2受容体はウイルスも含み陽性であるが、WTー31、βF_1共に陰性であった。これら未固定またはPLP固定細胞における標識状況の差異は、ウイルス産生やT細胞受容体発現との関連においても興味深く今後の検討課題である。
|