研究課題/領域番号 |
02670184
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
岩永 正明 琉球大学, 医学部, 教授 (00112384)
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研究分担者 |
仲宗根 昇 琉球大学, 医学部, 助手 (80175497)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1990年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 腸炎ビブリオ / 定着因子 / 線毛 |
研究概要 |
平成2年度の研究目的は、既に精製した腸炎ビブリオ(患者由来株、Ha7)の線毛が定着因子であるか否かを明らかにすること、および菌株間におけるその線毛の分布をみることであった。提出した研究計画にそって作業を進めた結果次のような所見を得た。(1)菌体および精製線毛はウサギ腸上皮によく粘着し、また線毛を粘着させた腸上皮は菌体の定着を許さなかった(レセプタ-ブロックによる定着阻止)。(2)抗線毛抗体Fab分画によって処理した菌体は腸上皮への定着性を失った。(線毛の機能抑制による定着阻害)。(3)それぞれの定着阻害反応は、線毛およびFabの量(濃度)を増すに従って定着阻止率が高くなるという濃度依存性の阻止現象であった。以上の結果から今回我々が精製した腸炎ビブリオの線毛(Ha7線毛)はウサギ腸上皮に対する定着因子としての機能を有することが判明し、腸炎ビブリオ定着因子同定の第一号となった。 線毛欠損変異株の作成は、抗線毛抗体含有培地における継代培養を重ねて行う方法を用いたが、変異株を得ることは出来なかった。 定着因子として固定されたHa7線毛の分布を臨床分離株および環境分離株の多数について調べたが(ウェスタンブロット法)、抗原的に交叉反応を示す線毛は見つからなかった。Ha7株の血清型は02:K3であるが、同血清型を有する菌株のうちからも同型線毛を有するものは見つからなかった。以上のことから今回同定したHa7腸炎ビブリオの線毛はその菌株に独特のものであると考えられた。
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