研究課題/領域番号 |
02670189
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 義信 東北大学, 歯学部, 助教授 (20005078)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | サイトメガロウイルス / 潜伏感染 / 自己抗体 / 抗唾液腺管抗体 / 抗核抗体 / シェ-グレン症候群 / 自己抗体産生 / 免疫抑制剤 / T細胞減少 / シェーグレン症候群 |
研究概要 |
BALBーc(4W,メス)マウスにマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を2×10^5PEU ip感染させた所、24Wから46Wまでのマウスに16%の頻度で自己抗体を保有する事が認められた。抗マウスT抗体(抗T)またはサイクロスポリンA(CsA)の投与により自己抗体保有率は上昇し、ステロイド投与では抑制効果が見られた。自己抗体産生に至るリンパ球・単球の変動を把握する目的からMCMV潜伏感染マウスに抗TまたはCsAを投与し、Flowcytometryにて脾細胞を解析した結果、Lyt1とL3T4が自己抗体保有マウスで減少していた。マウス胸腺細胞にMCMVを感染させてMCMV抗体とThyl抗体で二重染色した所、MCMV抗原はThyl陽性細胞に認められる事から、MCMVはT細胞に感染する事が示された。また、100匹のBALB/cマウスを用いて自己抗体の出現率をMCMV感染後に見た所、抗核抗体(ANA)を示すマウスは24Wから認められ64Wでは67%のマウスがANAを示した。抗唾液腺管抗体(ASDA)はANAを示すマウスにのみ認められ28Wから出現し、64で50%のマウスに発現していた。これ等の自己抗体保有マウスの唾液腺切片を用いて唾液腺導管周囲に50個以上のリンパ球浸潤したfocusを調べると、24Wまでは認められなかったが、64Wでは自己抗体保有マウスの全てに平均2.5個のfocusが認められた。ASDAを保有したマウスの唾液腺組織の変化として、導管の拡張、顆粒管上皮の膨化、導管上皮の反応性増殖それに腺房細胞の萎縮変性が認められた。 以上の事からMCMV感染は潜伏感染と再燃の繰り返しの中でT細胞に感染して抗原認識機構を破綻させ得る事、MCMV増殖でエンベロ-プ蛋白が自己変性蛋白となり得る事から自己抗体が産生されると考えられる。また、MCMVは唾液腺で増殖する事から、その自己抗体はASDAであり、その病状はシェ-グレン症候群と類似している事が認められた。
|