研究課題/領域番号 |
02670216
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
能川 浩二 千葉大学, 医学部・衛生学講座, 教授 (40019584)
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研究分担者 |
城戸 照彦 千葉大学, 医学部・衛生学講座, 助教授 (20167373)
大道 正義 千葉大学, 医学部・衛生学講座, 講師 (90053975)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | カドミウム / 腎機能障害 / 血圧 / 尿中ナリトウム / β_2ーミクログロブリン / 尿中カリウム / ACE / HANP |
研究概要 |
石川県悌川流域のカドミウム(Cd)汚染地の50才以上の住民、男1363人、女1684人、非汚染地住民、男127人、女159人より早期尿を採取し、尿中Na、K、β_2ーミクログロブリン(β_2ーm)、クレアチニンを測定した。尿中Na濃度の幾何平均値はCd汚染地の男、123.7mEq/l、女104.2mEq/l、非汚染地の男120mEq/l、女105.6mEq/l、クレアチニン補正値では、汚染地の男140.9mEq/g.cr.、女193.4mEq/g.cr.非汚染地の男138.4mEq/g.cr.、女195.2mEq/g.cr.であり、非汚染地間に有意差は認められなかった。尿中K濃度は未補正値(mEq/l)、補正値(mEq/g.cr.)とも、男女とも、汚染地住民の方が非汚染地住民より、幾何平均値が高く、その差は、男女ともに有意であった。Na/K比の幾何平均値は汚染地の男2.11、女1.97、非汚染地の男2.35、女2.18であり、男女とも汚染地住民が低く、その差は有意であった。尿中β_2ーm濃度と尿中Naの相関係数は、補正値では、汚染地の男、0.42、女0.38、非汚染地の男0.36、女0.32で汚染地、非汚染地とも有意の正相関であった。また、尿中Kとの関係も、Naよりも相関は弱いが、やはり有意の相関であった。しかし、Na/K比との間は、有意の相関は認められなかった。 汚染地住民男32人、女44人、非汚染地住民男17人、女18人について、クリアランス法によりNa、K、P、β_2ーm、Caの再吸収率を計算した結果では、Naの再吸収率は、汚染地、非汚染地住民間に差はないが、Kの尿中排泄率は、汚染地住民の方が非汚染地住民より高値であった。β_2ーm、Pの再吸収率は汚染地住民で低下していた。これらの結果は、Cd汚染地住民では、尿中K排泄量が多く、これは、腎尿細管機能低下に関連していることが示唆された。また、HANP.ACEを含む14頃目と血圧の相関では、最高、最低血圧ともに有意となる項目は見いだされなかった。
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