研究課題/領域番号 |
02670230
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
本多 隆文 (文多 隆文) 金沢医科大学, 医学部・衛生学教室, 講師 (60097441)
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研究分担者 |
釣谷 伊希子 金沢医科大学, 医学部・衛生学教室, 助手 (30159040)
城戸 照彦 千葉大学, 医学部・衛生学教室, 助教授 (20167373)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 環境カドミウム暴露 / 人臓器 / セレン / 亜鉛 / 銅 / カルシウム / マグネシウム / 環境カドシウム暴露 / 微量元素 / 相互影響 |
研究概要 |
Cdの蓄積性及びCdの暴露に伴う他元素の諸臓器における変動を明らかにする目的で研究を実施した。対象は大部分がイタイイタイ病認定患者及び同要観察者からなるCd汚染者51名と非汚染者とした非汚染地居住者75名の計126名ですべて60才以上であった。これらの対象より剖検により、肝臓、腎皮質、腎髄質、膵臓、甲状腺、心臓、骨格筋、大動脈、肋骨を採取し、各臓器についてCd、Zn、Cu、Mg、Ca、Seを分析した。Cd濃度はCd汚染者では非汚染者に比べ腎臓以外の全ての臓器で有意に高かった。その中でも最も非汚染者との平均値の比が高かったのは膵臓と甲状腺であった。これらの結果より蓄積性の高い臓器は膵臓と甲状腺であると推測された。なお年齢との相関関係からも蓄積性の検討はできるのであるが、今回測定した対象者は全て60才以上であったため、この面からの検討は十分にできなかった。Cdの他元素との関係では、Zn、Cuとの相関が肝臓、腎臓で特に高かった。また、ZnはCuとMgとの有意な高い相関が多くの臓器で認められた。MgはCaとの相関が大動脈と肋骨で有意に強かったことが注目された。これらのことは、今回測定された元素間の変動の関連性が非常に強く、しかもこの変動は、臓器特異的であることが示唆された。一方、各臓器間における元素の変動をみると、Cdは全ての臓器間で高い相関関係が認められ、これは、Cdの各臓器における高い蓄積性によるものと思われた。Zn、Cu、Mgも各臓器間に高い相関が認められた。また、女について、Caに関して観察すると、非汚染者では加齢によるCaの骨からの減少に伴う軟部組織での増加が窺えた。Cd汚染者では加齢による筋肉Ca濃度の増加傾向は非汚染者と同様に認められるが、そのレベルは非汚染者より著しく低下していたことなどより、主にイタイイタイ病及び同要観察者からなるCd汚染者では全身的にCa不足を来していることが示唆された。
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